有償ボランティア事業を行う特定非営利法人エフ・エー 長福洋子さんのインタビュー

大阪市では、今後社会のために何かをしたいと希望する世代や、育児中の母親の活動のきっかけづくり等を支援するとともに、現在地域のリーダーとして活躍する女性や、ボランティア団体、NPO団体との出会い・交流の機会を提供し、それぞれが持つ可能性を広げていくことをめざし、身近な社会で輝く女性への支援事業を実施しています。

身近な社会である「地域」で活躍されている方を訪ね、活動の内容、ご自身の経験談やこれから「何かを始めたい」と考えておられる方へのメッセージなどを伺いました。

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理事・コーディネーター 長福 洋子(ながふく ようこ)さん

 

取材日:平成27年3月11日(水曜日)

 

  • ホームページ

http://www.npofa.net

“おたがいさま”の精神で地域をサポート!

【プロフィール】

1995年から「おたがいさま」を合い言葉とした有償ボランティア活動をスタート。現在は特定非営利活動法人エフ・エーの理事・コーディネーターとして、介護事業や社会教育事業、サロン事業などにも幅広く関わっている。

  • たすけあい活動、ふれあい活動で住む街に安心と活気を!

「おたがいさま」を合い言葉に、1時間600円の有償ボランティア事業を行っているエフ・エー。理事・コーディネーターを務める長福 洋子さんは、団体設立から20年以上にわたり、地域住民によるたすけあい活動を継続し、阿倍野区エリアに根付かせています。

支援内容は、高齢者の通院や買い物付き添い、病気・ケガをした人の家事手伝い、産前・産後のお手伝い・子守りなど、幅広いことが特長です。

「有償ボランティア事業を通して、地域の人が抱える問題やいろいろな声を聞き、今では通所介護や訪問介護を行う『はなまる事業』、地域の人が集い交流を深める場としてスタートした『サロン事業』なども展開し、地域のたくさんの方々に利用いただいています」

長福さんが団体名にも込めた「For All〜みんなのために、みんなのちからで、みんなにむかって」という理念と共に、地域住民同士の様々なたすけあいのカタチ、ふれあいのカタチを生み出すことで、街にも活気を与えています。同時に誰もが安心して暮らせる街づくりにも貢献しているのです。

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  • たすける側、たすけられる側の双方にメリットがあるしくみとの出合い

「活動を始める前、私は病院でメディカルソーシャルワーカーの仕事をしていました。患者さんのいろいろなご相談にお応えするのが主な仕事なのですが、当時は医療の地域連携ということがまだ一般的ではなかったことから、退院後の生活に不安を抱える患者さんを十分にはサポートできない、というジレンマがありました」と、結婚して病院を退職した後も、その思いを9年間抱いていたという長福さん。

そんな時、有償ボランティアのことを知り、同じ考えを持った仲間と一念発起。1994年に現在のエフ・エーの前身である「ふれあいあべの」を設立したのだそうです。

「地域に住む人たちが安心して暮らしていくためにも、古くからある“たすけあい”が必要です。でも無償だと、してもらう側は“してもらっている”というストレスを感じてしまうこともあります。その点、有償であればお互いに遠慮せず、支え合う気持が継続しやすくなって、地域にも根付かせやすいんじゃないかと思って」

長福さんの描いた未来図の通り、今、阿倍野区に“たすけあい”の輪が広がっています。

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  • 一緒に過ごしてきた同じ思いを持った同志との絆を日々実感

周りの方々から「困った時は、エフ・エーさんに相談してみたら」と言われて、相談に来られる方もありますし、時には市区町村から支援のサポートを依頼されることもあります。

「長年かけてやってきたことで、できる支援も増えてきたことから、一人でも多くの困っている方のお役に立てるのは、嬉しいことです。またボランティアを通して、いろいろな人に会い、いろいろなものを見る機会もあり、私自身の成長にもつながっているのは幸せですね」

普段の暮らしの中では、絶対出会えない人や出来事に出会えることは、いつも新鮮で新しい気づきを与えてくれる貴重な経験だとか。

「同じ思いを持つ仲間と一緒にはじめた活動は、もう20年になります。誰一人として片手間ではなく、本気で地域のことや社会問題について考え、全力で取り組んできました。仲間というか、同志ですね。この活動を通して得た貴重な人生の財産だと思っています」

継続こそ力なりを実践する長福さんの活動は、思いを共有する仲間たちとの熱い絆に支えられています。

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【長福さんからのメッセージ】

  • ボランティアはそんなに難しくない! まずは気軽にチャレンジ!

「“私にはボランティアは絶対無理”と思っている方は、すぐにあきらめたりせずに、まずは動いてみること、やってみることが大事。やってみてから考えればいいですし、ダメだったら考えをリセットして新たにチャンレジすればいいんです。そういう意味では難しく考えず、もっと気軽にボランティアに参加して欲しいですね。エフ・エーでは、自分の家を地域に対して開く『サロン(住み開き)講座』や『子育て支援ボランティア養成講座』も定期的に開催していますから、興味や関心を持っている方には絶対おすすめです。基本的な考え方や役立つ技術など、人助けの達人に成長できるチャンス!ボランティアや地域、社会に関わりたい方はぜひチャレンジを!」

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