「ママの視点 × プロの仕事」を地元で【チャレンジの先輩に聞く! 活動を始めるヒント Vol.11】

林静香

林 静香さん(一般社団法人codomotoままちっち 代表)

 

“地元”に目を向けると子育てが楽しくなる!


阿倍野区昭和町界隈はレトロな民家が残る一角。「みなくるハウス」と書かれたゲートをくぐるとママチャリの列と楽しげな笑い声が聞こえてきます。現在の活動拠点である一軒家のみなくるハウスで、取材を迎えてくれたのは「codomotoままちっち」の代表、林静香さん。

林さんは三重県でタウン紙の営業や広告の仕事を経験したのち、結婚を機に大阪市阿倍野区で暮らすことに。その後、教育関係のライターの仕事に携わっていましたが、出産を機に子育てに没頭する日々を過ごすことになり、「仕事をしない自分がしんどかった」そして「これから“地元”になる阿倍野のことをもっと知りたい」という気持ちから、子育て目線で地域情報を発信する紙媒体の発行を思い立ちます。

林さんの“第二の地元”となった阿倍野区で子育て支援をされている方との出会いにも恵まれ、約15名のママたちと共に、平成17年に情報紙「ままちっち」を創刊。なんともかわいいネーミングの由来は「ママ」と「父(ちっち)」。子育てにママとパパの両方の視点を入れたものでした。

 

子育て中のママによる「等身大の情報発信」がモットー

ままっち
創刊するときに紙媒体にこだわったのは、育児の合間にさっと読める手軽さと、後でじっくり読むことの両方を重視しているから。当時はスマホも普及しておらず、パソコンを立ち上げないとアクセスできない子育て情報は不便だと感じたからでした。(平成28年にはデジタル版も開設)

「ままちっち」の目玉はスタッフのアイデアを結集した特集記事。「保育園ママのここが知りたい!」「発達障がいについて知ってほしい」「区長突撃インタビュー」など、タイムリーかつ関心の高いテーマについてスタッフが取材で集めた情報がぎっしり詰まっています。

林さん自身、ライター経験があるものの、ママたちからあがってくる「ままちっち」の原稿にはあまり添削しないのが原則です。子育て中のママが必要な情報をママ自らが取材して伝える。この「等身大の情報発信」のスタイルが「ままちっち」の独自性であり最大の魅力です。

 

“地元”で子どもを育て“地元”で働ける仕組みを法人化で実現したい!


“地元”をもっと知りたいという気持ちからスタートした「ままちっち」の活動が平成29年、大きなステップアップを成し遂げました。これまでの任意団体から、法人化が実現。「ままちっち」で活動するママたちが少しでも「仕事」としてきちんとお金を得られる仕組みを作りたい!との想いで一年半がかりで「一般社団法人codomotoままちっち」の設立に取り組みました。法人化の手続きは初めてのことも多く、書類もたくさん。そばで見守り応援してくれた支援機関や地元のNPOの存在がなければ法人化は実現しなかったと振り返ります。

活動を継続し、発展させたいという想いを持つ人は多いけれど、誰に相談したらいいのか、どんな公的支援を受けられるのか、知らない人が多い。自分の想いを聞いてもらったり相談したりできる場所と出会うことで、想いは一気に加速すると林さんは言います。女性チャレンジ応援拠点は大阪市が開設する公的かつ身近な場所です。何か始めたいという気持ちがあればあとは女性チャレンジ応援拠点を訪れるだけです。

「子育てに役立つ情報を発信したい」から始まった林さんのチャレンジの第二弾は「子どもがいても働ける場、社会とつながる場づくり」だそうです。これからの活動にもますます注目です。

一般社団法人codomotoままちっち
大阪市阿倍野区阪南町2−7-12 みなくるハウス内
http://codomoto.jp
http://mamachicchi.com/

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