一人ひとりに”色彩”で寄り添う リハビリカラーの可能性【チャレンジの先輩に聞く! 活動を始めるヒント Vol.13】

川西真寿実さん

川西真寿実さん(ひといろプロジェクト 代表)

 

ホスピタルアートとの出会い

川西真寿実さん
体調が思わしくない時や闘病中の人に「自分らしく、明るく見える色」で笑顔になってもらいたいと医療や福祉の分野に “色で元気を届ける”活動をしている「ひといろプロジェクト」の川西真寿実さん。

以前より、空間の色やデザインから人が受ける影響に関心を寄せていた川西さんは、ある時体調を崩し、身につける色の影響でさらにしんどそうに見える自分の姿に気づきます。そこから、病状の変化や薬の副作用の影響などで顔色がさえない方にこそ、色の力を有効に使えるのではと思いつきます。

欧米では、患者さんや来院の方を癒す美術作品を病院内に展示する「ホスピタルアート」が確立しています。個別の課題に寄り添い、色による外見ケアやストレス緩和につながる色の活用、患者さんの個性に合わせたホスピタルアートを作って、色味の少ない医療環境に導入したい!と、川西さんのチャレンジが始まりました。

 

オリジナルにこだわった“自分らしい活動”を追求

川西真寿実さん
実家はシルクスクリーンの工房で、色彩に囲まれ育った川西さん。その後、美術や写真の表現についても学びます。その時の恩師の言葉が、「他人の真似をしないこと」でした。色彩理論を学び終えて、自分にしかできない色との関わり方を模索していた頃、女性チャレンジ応援拠点の開設を知ります。そして、ここでもう一人の恩師との出会いがあったそうです。ファッションの為ではなく、医療や福祉の分野に色で新しい世界を切り開きたいという思いを持っていた川西さん。

女性チャレンジ応援拠点のコーディネーターで中小企業診断士のリー・ヤマネ・清実さんが担当する水曜日夜の開室日に初めて立ち寄ったことをきっかけに、それから何と7週連続で来室されます。

方向性が絞り込めず、どこから着手すべきかわからない中、「とにかく軸となる考え方を人に伝わる言葉にする努力を」「活動の方向性はやっているうちにおのずと見えてくる」等リーさんからのアドバイスで、その後の行動が変わったと言います。他のスタッフも、皆が「また報告しに来てくださいね!」と言ってくれる事にも励まされたそうです。

色々な人に支えられ、平成29年、川西さんがこだわった「人と人」「ひとりひとり」「十人十色の生きる色」をコンセプトにした「ひといろプロジェクト」を設立することが出来ました。

 

病気や課題と向き合う人にも“色彩の力”を!

川西真寿実
川西さんが今、一番力を入れているのが、パーソナルカラーを医療向けに発展させた「リハビリカラー」(商標出願済)の活動。病気や障がい、見た目に特性を持つ方に対して、その人の“ひといろ”に本当に似合う色を提案し、自己肯定感を高めてもらうことをめざします。

病院、患者さん、医療スタッフや家族が、色で笑顔になれる場を作りたいという川西さんの思いは、大阪市立総合医療センター、大阪母子医療センターのほか、こどもホスピスやがんサロン、発達支援施設、そして最近ではアルビノ(生まれつき髪や肌の色素の少ない特性)の方々との「色を楽しむカラーセッション」、各種交流会や研修等の活動に広がっています。

今後も様々な課題を感じる人が、色を味方につけて力強く生きていくことを応援したい。「本当に似合う色を知って、作って、身につける」独自のワークショプに、あえて病院にも色布と絵の具を持って行く。川西さんのチャレンジはこれからも進化し続けます。

ひといろプロジェクト
https://www.hito-iro.com/
https://www.facebook.com/hitoiro1116/
2018年11月に医療環境のアートを提案する展覧会を開催予定。
詳細はホームページへ

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