相手に完璧を求めずに、どちらかひとりがいないときでも「不自由なく生活できる状態」に

宮本さんとイルカ

パートナー・家族と協力して育児・家事に取り組む男性をご紹介します。

プロフィール

  • 宮本 良久(みやもと よしひさ)さん
  • 7歳の双子(女の子)、4歳の女の子の父
  • 電車運転士として働いている

出勤時間・退勤時間・お休みについて

  • 出勤・退勤時間は日々異なりますが、出勤してから休憩・仮眠をとり、起床後勤務終了するまでが、一括りの勤務です
    (例)9時出勤~翌日9時半まで勤務(休憩、仮眠を取りながら)
  • 休日は1ヵ月で約10日間、年間119日間

家事・育児のパートナーとの割合について/妻:夫

  • 曜日、夫婦の休み(妻は小学校教諭。暦通りの勤務体系)の状況により異なります
  • 平日かつ夫が休み⇒家事、育児とも2:8
  • 平日かつ夫も仕事⇒家事、育児6:4~5:5
  • 休日かつ夫が仕事⇒家事、育児7:3~8:2
  • 休日かつ夫も休み⇒家事、育児決まっていない。状況しだい、気分しだい

パートナーの勤務形態

  • 業種:公務員
  • 勤務時間:8:30~17:00
  • 休日:土日祝日がお休み

 

誰がどの家事や育児を担当するという「属人化」をせず、何事にもチャレンジ

私たちにとって初めての子どもが双子だったので、「大変だったこと、困ったこと」と言われると、きりがありません。
腹をくくり、「家庭内で男女共同参画を実現する!」という意気込みで取り組んでいます。

2倍の手間と時間が必要となることがほとんどなので、誰がどの家事や育児を担当するという「属人化」をせず、何事にもチャレンジしてきました。
その中で気がついたことは、男性ができないことは、「妊娠すること、出産すること、母乳を与えること」という当たり前の事実です。

電車運転士の仕事は、休日が暦と関係なく、また泊まり勤務もあるので、家事や育児を1日単位で考えることができません。
そうした生活を送る上で、夫婦で取り組んでいることは、1ヵ月単位で見通しを立てることです。

毎月25日ごろ、私の翌月分の勤務予定が把握できるので、夫婦の1ヶ月の予定を見ながら、どのあたりに負担がかかるのか予測し、祖父母に応援を頼む場合もあります。
また、急な懇親会など誘いがあったときは、その場で返事をせず、家族の予定を確認してから検討しています。

 
洗濯物を干す宮本さん

 

“当たり前”である双子の子育て情報も誰かの役に立つ

「双子の子育て」と言うと驚かれることもありますが、私たち夫婦にとって家事や育児を属人化しない生活スタイルは、日常で当たり前のことです。

そのため、「家事や育児に積極的に関わって良かった」という気持ちを持つきっかけは、普段の日常ではなかなかありませんでした。

ただ、以前、ファザーリング・ジャパン関西が実施した、藍野大学でのキャリアデザインの授業に講師側として参加した時、自分自身の家事や育児に関する経験を話す機会があり、双子の子育ての多くは2倍の手間と時間が必要だが、喜びも2倍だったことなどの話をすると、学生さんは非常に興味深く話を聞いてくれ、質問や感想を話してくれました。今まで当たり前と思ってやってきた家事や育児が、「学び」という形で誰かの役に立つんだと思えた時は、家事や育児に積極的に関わっているからこそ伝えられると嬉しく感じた瞬間でした。

 
宮本さん家族

 

同僚や後輩に、「仕事のほかに、家事や育児に参加する考え方、生き方もありますよね」と語りかける

現在私は、50代が5割、40代が1割、30代が3割、20代が1割、女性社員はいないという職場環境で働いています。
男性が家事や育児を積極的に行うことに対して職場の理解や協力があるかと聞かれると、「協力はあるが、理解を得られにくい部分もある」という状況です。

1年半前、双子の娘が小学校1年生になった頃、ゆとりを持ちながら子育ての時間を確保したいと考え、1ヶ月の労働日数を2日間減らすことができる制度を利用しました。

そのとき、面と向かって言葉があったわけでありませんが、男性社員が育児を担うために諸制度を利用すると、女性社員が利用する場合と比較して「やる気がない」と見なされている雰囲気を感じました。

様々な考えの方がいる中で、無理に価値観を変えてもらうような働きかけをすることよりも、自分たちの世代から変えていこうと考え、同僚や後輩には「仕事のほかに、家事や育児に参加する考え方、生き方もありますよね。

みなさんいかがでしょうか?」という姿勢でコミュニケーションを取っています。このような言葉がけが小さなきっかけとなり、少しずつ職場の理解や協力が変わっていけばいいなと思います。

 

仕事や生活のバランスを夫婦で工夫しながら、柔軟に対応していく

「心がけていること」は、相手(パートナー)がやったことには干渉や口出しをしないということです。
価値観の違う二人がひとつ屋根の下で一緒に暮らしているので、気になることはたくさんあります。過去には価値観の違いによるケンカは何度もありました。

そこで、家事や育児についての落としどころは、夫婦二人が家事や育児の総量を把握し、完璧を求めずに、どちらかひとりがいないときでも「不自由なく生活できる状態」を理解し、心地よく生活することです。

いかに分担するかということよりも、完璧を求めず、自分達の生活スタイルに見合った方法を模索することが大切かもしれません。

仕事や生活のバランスを夫婦で工夫しながら、柔軟に対応していくことは、これからの夫婦の機能として男女両者に求められることだと思います。

育児は期間限定のミッションで、夫婦にとっても家族にとっても非常に重要なことです。

保育園への送迎、毎週日曜日は公園で遊ぶなど小さなことでも、継続しながら育児の主体者になることで、初めて感じられることがあります。

娘が大きくなったときには、お父さん、お母さんだけではなく、おじいちゃん、おばあちゃん、地のみなさん、色々な人のお陰で大きくなったんやと感じてもらえる日がやってくると願っています。

その頃には「イクメン」や「男性の育児参加が……」という言葉がなくなり、性別に左右されることなく育児や家事をおこなうことが当たり前と捉えられている世の中になっているのでしょうか?

この記事を読んで、バトンをつないでくれる仲間が1人でも増えてくれたらうれしいです。

宮本さんと娘3人

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