「ユニーク」は、生きるチカラ!  
【チャレンジの先輩に聞く! 活動を始めるヒント Vol.47】

齊藤 美保さん

(合同会社ユニークおおさか 代表)

働きたい!を応援

齊藤美保さんが2022年5月に開所した「ユニークいまざと」(大阪市東成区)は、精神障がいやメンタルの不調など、生きづらさや働きづらさを持つ人たちが「自分らしく働ける」ためのスキルの習得や支援を行う就労移行支援事業所です。

取材にお伺いした日も大勢の方がパソコンを使った訓練や心理ワークに取り組んでおられました。

ここでは、日替わり、週替わりでビジネススキルやコミュニケーション、キャリアカウンセリング、セルフケアなど、様々なセミナーが実施されています。日々のプログラムには筋トレやヨガ、ウォーキングなどのセルフケアからパソコン学習まで、利用される方のニーズに応じて必要なサポートが受けられる仕組みがあります。週2回のカフェミーティング(コーヒーを飲みながらの座談会)といった、孤独になりがちな就職活動を温かく応援する体制が整えられています。

スタートは「どんぶりカフェ」

 

齊藤さんと女性チャレンジ応援拠点の出会いは、2021年11月にさかのぼります。福祉関係の仕事を辞め、地域の人たちに気軽に利用してもらえる拠点としての「どんぶりカフェ」の開業を夢見て、具体的な手順や情報を得るために来室されました。

栄養バランスの良いどんぶりを、手軽に食べに来て、地域の人に喜んでもらいたいという真っ直ぐな思いを受けて、拠点スタッフが伴走しながらカフェの具体像を固めていきました。しかし、コロナ禍に飲食業を開業するリスクや戸惑いも大きく、心に引っかかっていた齊藤さん。一つひとつ準備を進めながらも、社会の動きを冷静に見極めることを怠りませんでした。

ちょうどその頃、齊藤さんの夫が、海外生活の中で一人一人の個性が尊重される文化に触れた経験から、生きづらさや精神障がいを抱える若者が自信を持って生き、働くことができる手助けのために独立をしたいと考えていました。「お互いのこれまで学んできたことを組み合わせて地域に貢献していきたいね」とご夫婦で話すうち、「どんぶりカフェ」の夢が「カフェの仕事も体験できる就労支援事業所」に変化していったそうです。

ユニークなキャラクター「イクオ」誕生秘話

 

「ユニークいまざと」にお邪魔すると、室内のいたるところに手編みの人形が置かれています。これは、事務所のマスコット「イクオ」。

「イクオ」は、八尾の障がい事業所スタッフの作品で、元々は犬を作るはずが、偶然この形になったもの。これに齊藤さんが一目惚れし、なんとマスコットに。(ちなみに、、、会社名「ユニークおおさか」の中に、かくれイクオがいます。探してみてください。)

「イクオ」には、一つひとつ異なる特徴があり、色や大きさが違っています。よく見ると、鼻からぶら下がっているものが。。。花や鉛筆、キラキラしたものなど、個性があり、「イクオ」の魅力を表現しています。

 

今や、名刺や事業所のパンフレット、Webサイトなど、あらゆるところで「イクオ」は大活躍しています。

 

画像:ユニークいまざとHP(https://u29osaka.com/ikuo/)より引用

「ユニーク」は、個性を認める魔法の褒め言葉!

 

齊藤さんは、「ユニークって聞くと、おかしいとか変というネガティブなイメージで使われることが多いかもしれませんが、本来の言葉の意味は決してそうではないんです。海外では褒め言葉として使われているくらい。その人の魅力や個性を表現する明るくて強いポジティブな言葉なんですよ」と話してくれました。

そして昨年、「イクオ」の個性を通して多様性への理解を促すカード教材「ユニチャレ・カード」が完成。小さな子どもから大人まで、様々な個性を持って生きている人たちへの理解のきっかけになればという思いで作成したものです。これからは、地域のイベントなどでこのカードを使ったワークショップを行っていきたいとのことです。

お話を伺った齊藤さんをはじめ、拠点を訪れる人たちのチャレンジは、まさに「ユニーク」と言えますね。自分だからできること、自分にしかできないことを突き詰めると、独創的で魅力ある活動につながることを実感したインタビューでした。

 

就労移行支援事業所ユニークいまざと

(合同会社ユニークおおさか運営事務所)

Webサイト: https://u29osaka.com/

TEL: 06-4259-1110

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