ワンゲイン株式会社の女性支援、社内風土作りについてのレポート |女性活躍推進情報発信事業

ワンゲイン株式会社は、平成２６年度「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」優秀賞を受賞されており、「人と自然にやさしいライフスタイルの探究」をブランドコンセプトに非常用電源システムおよび構成品(DC-ACインバーター・バッテリー・充電器等)や、風力発電機・ソーラー等の輸入卸販売、オリジナルの一体型非常用蓄電池を開発、販売している会社です。

非常時の備えに対する意識の高まりから非常用電源システムの需要が拡大し、成長し続ける同社の女性支援、社内風土作りについてリポートします。女性の雇用を進める同社の女性比率は９割。代表取締役の梅千得さんにお話を聞きました。

◇再就職を目指す意欲的な人材をマッチング

東日本大震災や計画停電などの影響で非常用電源やインバーター（直流電気を交流電気に変換する装置）の需要が高まり、それに伴い同社の業績も拡大。子育てから復帰を目指している優秀な人材獲得に力を入れたそうです。

梅社長：「歴史の浅い中小企業は、求める人材がなかなか獲得できない。当社もそうでした。そこで関西学院大学が行っている『ハッピーキャリアプログラム』の修了生をマッチングしてもらい、社会復帰しバリバリ働きたいという意欲的な女性を雇用することができました。その様な制度などを上手く利用すれば、中小企業でも長く続けてもらえるいい人材がマッチング可能だと思います。」

◇個別に対応。必要なら制度化

子育て中の女性でも長く働きやすい環境を整えることは、企業が行うべきと考える同社。制度作りよりも個人の状況に合わせて対応し、その結果として制度が必要なら整備するという流れができています。

梅社長：「働いている者同士がお互いを助け合う会社の風土が重要です。風土があってこそ全部が生きる。制度がどうこうでなく、逆に風土があればどんなことでもなんとでもなると。女性が多い当社では、子育ての苦労など理解し合える環境にあり、女性が多い職場にありがちな問題もなく良い風土が出来ていると思います。」

◇縦から円へ

同社の組織図は、一般的な縦割りの階層構造ではなく、太陽系のように経営者をスタッフ達が取り囲んでいる構造で仕事が常に共有されているとのこと。子どもの病気で急に仕事を休んでも、その仕事が滞りなく進むので、子育て中の女性でも安心して勤めることができるような仕組みになっています。

梅社長：「横の繋がりを強化する組織の仕組みも大事ですが、決して誰かのためだけにやるのではなく、お互い様、みんなのためという考えを浸透させることが大事だと思います。」

◇短時間社員、人の時間も大切に

自分の時間も人の時間も大切にしたいとの社長の考えの下、基本原則として「NO残業」。社長も率先して午後６時に帰宅しています。また短時間社員の制度があり、これが成り立っているのはそもそも女性スタッフの仕事時間も短いのが理由とのこと。

子育て中などの女性の短時間社員でも、能力があり、時間内に役割を果たせる人材であれば管理職にもなれるといいます。

梅社長：「ブランクを終えて復帰する女性はアクセルを踏みたがる。経営者は逆にブレーキを掛けてあげないといけない。それで徐々に試運転してもらって、慣れてきたら背中を押して自信をつけさせる、復帰した方にはそういう流れが必要なんです。女性の短時間社員でも管理職に就けるというのは、焦らず能力を発揮してもらうには重要な制度です。」

◇コミュニケーションの交通整理

社長が心掛けていることの一つに「ワーク・ライフ・バランス（仕事と生活の調和）」があり、自らのプライベートの出来事を伝えるだけでなく、社内全体のコミュニケーションの活性化にもアイデアを絞って、風土作りに努めています。

梅社長：「週末にしていたことや昨日の夕ご飯のおかずなど、仕事に関係ないことでもさりげなく社内で発表する機会を毎朝設けています。プライベートや人間性を垣間見ることで、コミュニケーションが一方通行になりがちな会社の雰囲気が変り、お互いのことを知り、理解し合えるキッカケなればと続けています。」

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「当たり前の事を徹底する」を企業理念に掲げる同社。

女性の雇用において会社側が解決できることは積極的に行うというのもその現れ。

社会復帰を目指す女性に心強い同社の存在が、

これからも他社にとって手本となることを期待しています。

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