社会人1年目を気持ち良くスタートするために
大阪の若者の就業率及び正規雇用率は、全国平均と比べ低い水準となっており、平成27年度の学校基本調査によると新規の大学卒業者の5人に1人が正規の職に就けていません。
また、新規の大学卒業者は就職しても3年以内に3割が離職しており、離職理由としては「労働時間等の労働条件が良くない」「人間関係」「仕事が自分に合わない」が上位を占めています。
そこで、大阪市内の企業で入社時研修講師として活躍中の鵜飼千登静さんに「社会人1年目を気持ち良くスタートするための基本のマナーと心構え」についてお聞きしました。
鵜飼千登静さん 大学卒業後、日本航空客室乗務員として8年勤務。現在はマナー・接遇講師として学生の内定に直結する就職支援、企業の入社時研修講師や、大阪市の女性活躍推進のキャリア形成支援事業に携わるとともに、大阪市主催の「女性向けキャリアサポート事業」の面接対策講座の講師を務める。 |
職場での基本的なマナーをおさえて人間関係を良好に保ちましょう!
社会に蔓延するストレス。それには人間関係に由来するものが多いと言われています。
新しい職場環境のもと、いち早く仕事を覚え、技能や技術を身につけていくことも大切ですが、何よりも人間関係を良好に導き、毎日イキイキと働ける環境を持つことが重要です。
より良い人間関係を構築するために大切な心がけ
では、新しい環境のもと、より良い人間関係を築くために大切なことはどのようなことでしょうか。
「明るさ」
あなたの表情、声に明るさはありますか?明るい表情で挨拶をしていますか?挨拶とは「あかるく・いつも・さきに・つづけて何か一言言う」と言葉のキャッチボールが生まれ、相手との距離が縮まります。
是非、明るい笑顔と声で、自分から爽やかな挨拶を心がけてみてください。
「誠実さ」
あなたはどんな時も、お客様や同僚、上司、周りの皆さんに対して、誠実な対応をしていますか?小さなミスが会社の信用に関わる問題となりえます。誠実な気持ちをいつも忘れないでいましょう。
「協調性」
会社は組織として動いています。周囲とのチームワークを大切にしながら仕事を進めていきましょう。
また、積極的な態度も大切です。その場その場で臨機応変な対応ができるように、配慮”気配り・心配り”等をしてみてください。
新しい職場環境・人間関係に身を置く前に「適応曲線」を知ろう!
人が新しい環境に馴染むプロセスを示した「リスガードの適応曲線」と呼ばれるグラフをご紹介します。この曲線から、人の適応度が時間とともに高くなっていくことを理解し、新しい環境で自分らしく順応できる心の状態を保ちましょう!
ハネムーン期
新しい職場に身を置くことを考えてみましょう。
はじめは見るもの聞くもの、新しい学びも全て楽しく新鮮です。
無理をしているとも気付かず精一杯自分なりに頑張るので、自らは新しい環境にうまく適応していると思えます。
こちらが「ハネムーン期」あるいは「旅行者の時期」と呼ばれる期間です。
カルチャーショック期
上司や同僚と付き合っていくうちに相手の様々な性格も見え始め、相手のことを勝手に自己評価したり、相手のことが理解できない!私とは合わない!という思いに陥ります。
新しい環境で突っ走ってきた疲れとなり、ストレスを感じ始め心が不安定になりやすく「この仕事は自分には合わない」と感じ始める人もいます。
「カルチャーショック期」を迎えたならば、どう乗り越えれば良いのか。
「私はもうだめだ、この職場には合わない!!」と一旦思い始めると、「退職」という二文字で頭はいっぱいになってしまいます。
「カルチャーショック期」これは「葛藤期」とも呼ばれますが、誰でも迎える期間がありますので考えすぎないことが大切です。この適応曲線を思い出し、「今はカルチャーショック期であり、適応期に入る準備期間だ」と心に余裕を持つようにしましょう。
休日は好きなことをして、心身ともにリフレッシュすることが大切です。
ただし無理は禁物です。ストレスが続くようであれば信頼できる方に相談してみましょう。
適応期
「適応期」以降は環境への適応レベルは高まっていきます。その後迎えるのは成熟期です。
ある程度月日が経ち、環境にも慣れてくると自分に余裕が出てきます。
積極的に行動することで自信も生まれ、周りからの評価も高まり、職場での自分の役割も確立されていくでしょう。
「退職」の二文字はどこへやら。きっとイキイキと仕事をしている自分に出会えるはずです。
社会人1年目を気持ち良くスタートするための基本のマナーと心構えはいかがでしたでしょうか。
大阪市ではこれから就業する若者が、仕事と家庭の両立や女性が企業で活躍することの意義について理解を深める機会の提供を行っております。
大阪市は新社会人のみなさんのご活躍を応援しています!