外資系IT企業に勤務しながら、家事、育児、本の出版までこなす浦山幸純さんのインタビュー

今回はハイパービジネスマン、浦山幸純(ともよし)さんを取材しました。

浦山さんから「トムさん」と呼んでください!と言うことでしたので、以下はトムさんと呼ばせていただきますね。

きらめく女性の応援ひろばでは、身近な社会である「地域」で活躍し、輝いている方を訪ね、活動の内容や経験談などから「輝き」のヒントを見つけます。

トムさんは、外資系IT企業に勤務しながら、家事、育児、地域活動ボランティア、副業、セミナー講師、本の出版など様々な分野で活動中。多忙な中でも家庭における料理を含む家事分担を半分こなす主夫でもあります。PTAなどの地域活動や家事も女性と同等と考えるトムさんに主夫をこなすコツについて伺いました。

 

◇ハイパーなのは仕事だけじゃない(現在の活動内容)

男性としても憧れる外資系IT企業にてソフトウェアのエンジニアをしながら管理職的な業務をこなし、家庭では男の子3人の父、そして地域では青少年指導員のボランティア、小学校ではPTA会長も務めたトムさん。近日中に、仕事・副業・家事・育児・ボランティアなど多方面で活躍できる「ハイパービジネスマン」に関する本を出版予定です。さらに驚くのは、奥さんと家事・育児を半分に分担していること。

独身時代から結婚するなら共働き、お互いがフルタイムで働くのであれば家事はイーブンと決めてしました。そうでないと妻の負担が増えて家庭内が破たんすると。子どもができてからも育児も含め平等に分担しました。さすがに授乳はやってません(笑)。長男が中学生になり子育ても楽になってきた感がありますが、今でも家事・育児は平等です。」

 

 ◇どうせやるなら楽しく、そして会長就任(地域との関わり)

子どもが3人ということもあり、学校関係など地域に深く関わっています。PTA主催の地域の餅つき大会に親子で参加したことがきっかけで、青少年対策連絡協議会で青少年指導員のボランティアに参加することに。また、子どもが通う小学校ではPTA参加し会長も務めました。

「息子たちが通う小学校は100人前後の小規模小学校です。子どもが3人いますから役員はいつか回ってくると覚悟していましたが、どうせやるなら楽しくしたいと思い、PTA会長になってからも自分なりに色々と工夫をしました。ご飯を残さず食べるようにというメッセージを伝える為、入学式のPTA会長の挨拶でおにぎりの被り物を被ったりしました。新一年生には確実にウケましたが、後で各方面より様々なご意見を頂きました(笑)。その他にも様々なところで学校との間や保護者間でもそれぞれ考え方の違いを感じる事があり、貴重な活動を体験させてもらいました。

縁あって青少年指導員のボランティアもしていますが、メンバーには独身の方もいる。我が子がいないにも関わらず、子どもへの思いで熱心にやっているのがすごいと感心しました。地域はそういった方に支えられていると知り、心強く思いました。」

 

 ◇炊事・洗濯・家事・おやじ(主夫としての家事・育児)

家事・育児を半々で担当している浦山夫妻。平日5日間は子守当番(炊事・洗濯・子どもの勉強を見るなど)を毎週初めに曜日決定。当番の役割としてはご飯をつくりながら子どもの宿題をみたり、風呂(準備は子どもが担当)、就寝までの面倒。子どもの就寝後は洗濯、食器の片付け。当番の日はなるべく残業をせずに帰宅。日常の掃除は掃除ロボットを活用。週末にトムさんと次男・三男がトイレや風呂、洗面所の掃除を担当します。奥さんは土日には長男の野球クラブに同行し、保護者としてクラブ活動を支えています。保護者代表も務め、土日はほとんど不在だとか。

「家事分担は最初から上手くいっていたわけではありません。炊事・洗濯など絶対にしないといけないことを優先し、掃除などは妥協してもいい。完璧を狙わないのは続けるコツです。

それと子どもたちにも役割を与えています。毎日の風呂準備は子どもたちの仕事です。当番表も作っています。家事は子どもが小さい時から役割を与え、小さくてもできることからさせるようにしていました。親の手伝いではなく、家族の一員として自分の役割として与えます。そうすることで子どもにとって家事が習慣となり、やるのが当たり前と言う意識を持ってもらいたいと思っています。なかなか理想通り、つまり自発的にはやってくれませんが…。いずれにせよ家事をやるように言うのも、中学生になってからいきなり、では遅いと思います。

料理ももちろん含みます。買い物は主に生協の宅配を利用し、足りないものだけ帰宅時に買って帰ります。子どもたちには私の料理は人気が無く嫁さんの方が圧倒的に高評価です。文句は言っても良いが残さず食べろとは言いますが…。最近では次男がチャーハンを作るなど料理も作ってくれます。」

 

 ◇習慣化された考え方で、仕事も効率化(職場における克服のポイント)

トムさんは長年、「自分の中のバランスは、仕事が49%、家庭が51%」と習慣化した考え方を崩していません。本当はイーブンだがどちらかという時は家庭をとるというスタンス。社内でも自分の考え方を伝えるために、飲み会などで同僚や上司にも家庭や地域のことを話題にすることで周囲の理解に努めたそう。仕事の進め方もチーム制の利点を生かし、家庭との両立を維持し続けています。

「ある時、私が司会で進めていた会議中に子どもが熱を出して保育園から呼ばれた時でも、後を任せて保育園に駆けつけることができました。理解のある職場で良かったと思いました。又通常の業務においても仕事はチーム制で、知識・ノウハウ・経験を1人に集めず、誰でも均一な対応ができるように週ごとにメイン担当を変えていて、誰が抜けても補える体制作りを行っています。また個人対応を記録に残して全員で共有することも徹底しています。

日々どこまで仕事をするかについては、当番でない日は少し残業してでも明日に影響しないよう仕事を完了させる。逆に当番の日は明日に残せる仕事は明日に残すようにしています。明日できる仕事よりは今日すべき家事が優先ってことですね。これ以外には、仕事内容を徹底的に効率化して、時間内での完了を心掛けています。具体的には、よくある内容はテンプレート化して時間短縮しています。地域活動や家事の時間をいかに捻出するかを考えた結果です。」

 

 ◇広がった視野、家庭も円満に(主夫、地域で活動してよかったこと)

長年面子が同じと言う偏ったコミュニティとなっている今の職場では、ある種コミュニケーションもラクですが、地域活動ではコミュニケーション1つでも難しさがあるそう。大人だけでなく他の家庭の子どもとも接する機会があり、考え方の違いなどを感じることも多いとか。

「地域で活動すると年代や職種の違う人がいて、簡単なことでも上手くいかないこともあります。でも、自分にはない色々な考え方・価値観に触れられるし、経験豊かな方からの学びもたくさんあります。いい意味で自分の常識が壊され、考え方が柔軟になり視野が広がった感じです。困ったときには助け合える地域ネットワークも広がりました。

また、違う家庭の子どもと接することで、客観的に自分の子どもや家庭が見られるようになったり、子どもの世界の事情も分かって、家庭円満に非常に役に立ちました。

ボランティアでは、無償ということで人によって活動スタンスがバラバラ。報告・連絡・相談といった会社では当たり前のこともままならないことがたまにあったりするため、逆に仕事場が恵まれた環境だということに気づかされます(笑)。」

 ◇自分のスキルの活かし方(読者へのメッセージ)

仕事ができる男性ほど、仕事が全てというのはもったいない。仕事ができるのに家庭の雰囲気が寂しいというのは疑問に思います。子どもがいるならなおさらです。仕事で培ったスキルは、仕事だけでなく家庭や地域にも生かせることを知って欲しいです。そのスキルで子どもと住んでいる地域に貢献できると、みんなに喜ばれ生きがいになるし、何より父親として家事・育児に向き合うには協力も得られてとても都合がよくなる。仕事以外の世界が広がります。」

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