子ども教育学教授がお伝えします!お父さんにもおススメ!親子で運動遊びをして体を動かそう!〜自己肯定感を育てる運動遊び〜

自己肯定感を育てる遊び

新型コロナウイルス感染症拡大防止として、マスク着用・ソーシャルディスタンスの確保・ステイホームなどの”新しい生活様式”が取り入れられています。

これらによって、長らく人との直接的なコミュニケーションがとりづらくなっています。大人でもこのような状況が続けばストレスが溜まるのに、子どもならなおさらです。子どもは本来、仲のいい友だちや気の合う友だちと触れ合ったり、じゃれあったりしながら心の安定を図っています。

子ども同士で思いっきり遊ぶことにも制限がかかる今、みなさんは子どもとどのように関わり、どんな遊びを一緒にしていますか?

親子の関わり方を見直してみませんか

私は、大学での授業を受け持つ以外に小学校・幼稚園や保育園のPTAから、子育てに関する講演のご依頼をいただくことが多くあり、子育てが一段落(長男27歳、次男23歳)した先輩としてお話をしています。

人前で話すくらいだからさぞかし立派な子育てをされてきたのでしょうとよく思われがちですが、実は真逆で、話す内容の半分は自分の失敗体験なのです。

特に長男が小学生時代のころの親としての言葉がけや行動は反省しきりです。長男は少し弱々しいところがあり、体育会系の私としては「なんや頼りないな。もっとしっかりとしてほしいな〜」と常々思っていました。

長男へ投げかける言葉といえば「何やってんだ!」「もっとしっかりしろよ!」。そして、次第にエスカレートして「弟にお兄ちゃんになってもらうか」と4つ下の次男と比較していました。

この時期を振り返ると、ただただ「長男にしっかりして、どうにかやる気を出してほしい」という親としてよかれと思い込んで、言葉をかけていました。

やがて長男は不登校となりました。親から劣等感を植え付けられて、同級生と自分を比べるようになりました。何度も小学校から呼ばれて、校長先生からは「お父さん、一から子育てをやり直す覚悟で11歳のお子さんと向き合ってください」とグサッと胸に刺さる助言をいただきました。しかしながら、具体的には何をどうやって一からやり直すのかわからず、苦悩の日々でした。

そんな時ふと「今までの自分の言動をすべて見直してみよう」となり、よかれと思って長男に投げかけてきた言葉を見直しました。すると「小学生がこんな言葉を聞いたら、やる気を出すより、むしろ傷つくな」と客観的に判断できたのです。

その後長男に対して

  • 「おはよう」、「行ってらっしゃい」、「お帰り」、「おやすみ」のあいさつを欠かさない。
  • 「宿題を早くしなさい」を言わない。
  • お手伝いをしてくれたら、「ありがとう」を言う。

もちろんこちらが心に余裕を持って優しい口調で接しました。遅まきながら、ようやく子どもの気持ちに立って子育てをすることができたのです。

親が変わったからと言って、長男もすぐには変わりませんでしたが、家庭内でも笑顔が多くなり、2年半続いた不登校でしたが、ある日「明日から学校に行くわ」と言い出しました。保健室登校から復帰しましたが、卒業前には教室で授業を受けるまでになりました。その後長男はアニメ声優になる夢を叶えるため専門学校へ進学し、現在はアルバイトをしながらオーディションを受ける生活をしています。

このように、親子での在宅の時間も増えた今、今一度子どもへの言葉がけの客観視、関わり方を見直してみても良いのではないでしょうか。私の経験のように、子どもにとって良い働きかけにつながると思います。

親子遊びのすすめ

さて、子育てについての多くの反省から、前述したように今では親子でいっしょに遊びましょうという趣旨の講演活動を行っています。

特別な器具を使わず、スポーツが得意でなくても気軽にできる体を使った遊びです。ぜひお子さんとやってみてください。いつもとは違うとびっきりの笑顔に出会えることでしょう。

1、ボール転がし遊び(お座り〜2歳ごろまで)

手持ちのボールを転がして遊びます。転がしてほしい目標の位置を示してあげましょう。

2、ボール投げ遊び(2〜4歳)

ボールをキャッチできる喜びを感じさせましょう。ふんわり、優しく投げてみましょう。

3、バランス遊び

ひざの上で子どもにバランスを取らせます。介助をしても構いませんが、最後はお互いに手と手を離してバランスを取り合ってみましょう。

4、よじ登り遊び

親はよつんばいになり、子どもがよじ登れる高さを調節します。反対側に無事に着地できると成功。

5、大の字ジャンプ遊び

親は大の字で寝そべります。子どもは体や手足などをジャンプして飛び越えます。

6、振り回し遊び1

子どもの両脇に腕を通し、両手を組み、子どもが遠心力を感じるように振り回します。早さを調整しましょう。

7、振り回し遊び2

子どもを横向きに抱き、左右に揺れます。早さを調整しましょう。

  • 周囲の安全を十分確認し、ケガのないよう注意しながら行うようにしてください。
  • 腕時計などのアクセサリー類ははずして行うようにしてください。

親子で運動するといいこと3つ

親子で運動遊びをすると、良いことが3つ起こります。

①子どもの運動能力向上

幼少期(3~8歳ごろ)には、バランス能力が高まります。この能力は不安定な場所であっても、最適な体の使い方をつかさどる能力です。例えば、つまずいてもとっさに態勢を整えて、ケガが軽いように倒れます。

②親のストレス軽減

子どもと遊ぶことは、体が疲れない程度の運動です。また自然とお互いに笑顔になったり、声を出して笑うのでメンタル面で良い効果が得られます。

③親子の絆が深まり,自己肯定感が高まる

いっしょに遊ぶことで、親への信頼感や愛着がより深まります。幼少期にしっかりと絆が出来上がることで、子どもの心が安定し自己肯定感が高まります。

最後に

長引くコロナ禍で日常生活が一変しましたが、私たちに再認識させてくれたことや、新たに気付かせてくれたことはありませんか。自分や家族の健康の大切さを実感したり、家族と食事を共にする喜びを感じたり。

ステイホームで家族時間が増えたからこそ関わり合いが増え、家族の絆も深まると良いですね。

確かに子育て時期は思い悩むことも多く、たいへんな時もありますが、我が子の笑顔を見るとやっぱり可愛いと思えます。【今この時】を家族みんなで十分に楽しんでください。

村田 トオル
大阪青山大学 健康科学部 子ども教育学科 教授。
研究テーマは「自己肯定感を育てる運動遊び」、「親子運動遊びが養育態度に与える影響」

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電話: 06-6208-7355 ファックス: 06-6202-7073

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