「やりたいことは全部やる人生にしよう!」 そう決めた私のキャリアストーリー

「仕事と家庭・子育ての両立」に限界を感じ、思い切って退職後、女性のライフイベントに左右されない働き方を視野に入れ、国家資格の取得にチャレンジされた小田 幸子(おだ さちこ)さんをご紹介します。
現在は2児を育てながら、社会保険労務士としてご活躍中です。

専門商社でのできごと

私は大学卒業後、専門商社に就職し、ありがたいことに様々なことにチャレンジできる環境を与えてもらいました。仕事がどんどん面白くなって、「この会社で部長以上、いや、役員にまでなりたい!」と考えるほど上昇志向を持った社員でした。

同期の中でもいち早く昇進することを目標にしており、様々な公募制度にも立候補し、社内での自分の認知度をどんどん上げていくサラリーマン人生を送っていました。

そのように仕事が大好きな私でしたが、頭の片隅には「いつかは結婚して母親になりたい」という夢もずっと持っていました。
入社後9年目に結婚し、数か月後に子どもを授かりましたが妊娠7週目で早期流産を経験し、人生で初めて自分の想像を超える深い悲しみを経験することになりました。

その悲しみは時間が少しずつ解決してくれましたが、それと同時に押し寄せてきた違和感がありました。
その違和感の正体は、妊娠が発覚してから流産するまでの4週間、私が頭に思い描いていた出産後のキャリアのイメージが「できるだけ長く育休をとって、時短勤務の社員で復帰する」というものでした。

これまで、仕事と育児とを二者択一で考えていたのか、あんなに頑張ってきた仕事を簡単に離脱しようとしている自分に気づいたのです。

この先何を優先してどう生きていけばいいのか分からなくなりましたが、色々と考えるうちに、「これは私自身が変わるチャンスをもらったのかもしれない!」と思うようになりました。

そして、思いっきり仕事をして自分が成長していくことも、子どもを産んで母親になることも、「何もあきらめない、やりたいことは全部やる人生にしよう!」と決めました。

「仕事と家庭・子育ての両立」とは何か、どのようにワーク・ライフ・バランスを維持するのか、当時は分かっていませんでしたが、私はここを乗り越える必要があると考え、自分の望む環境をつくろうと、思い切って会社を辞めることにしました。

そして、自分の経験を活かして多くの人が自分らしく働ける、そんなサポートがしたいと思い、人事労務分野のプロフェッショナルである社会保険労務士の道に進むことを決意したのです。

 

社会保険労務士を目ざして

平成23年に会社を退職した後、社会保険労務士事務所ティムスに就職し、翌年の平成24年に社会保険労務士試験に合格しました。その合格の翌月には長男を出産し、平成25年にフルタイムで仕事復帰しました。

仕事と家庭・子育ての両立は大変でした。17歳離れた夫は、実のところ家事・育児に積極的かと言われるとそうではなく、時々手伝ってくれる程度でした。ならば、私は”選択的ワンオペ”と宣言して、保育園の送り迎えから何から何まで自分でこなしましたが、仕事でどうしても子どもを保育園に迎えにいくことができない時は、家族や友人、ファミリーサポートを頼ったり、また、子どもが病気の時は病児保育を利用したりしました。もちろん保育園の先生や学童の先生にも本当にお世話になりました。

今振り返ってみると、一人で抱え込まず、時には周りの人に頼ることも大切で、それが仕事と家庭・子育ての両立の秘訣だったと感じています。

そして、長男を出産してから3年後、社会保険労務士法人ティムスを設立し、平成28年には長女を出産し、一男一女の母となりました。

社会保険労務士法人ティムスの小田幸子さん

 

法人の代表として

現在は、総勢20名の社会保険労務士が所属する法人の代表を務めています。今後の目標は100人規模の社会保険労務士が所属する法人にすることです。プライベートでは6年生と2年生の二人の子どもの母でもあり、「社会に返すための子育て」をスローガンに社会のお力添えをたくさんいただいて、子育てをしています。

子どもはいつか社会に出て、社会に貢献する大人となります。親として愛情と責任は誰よりも持ちますが、子育ては親だけでなく、社会(例えば、おじいちゃん/おばあちゃん、保育園の先生、地域の方、友達のお母さん/お父さん、両親の友達など)にも育ててもらいたいと思って子育てをしています。親も子どもも、社会とのかかわりをたくさん持つことによって成長していけると信じています。

社会保険労務士法人ティムスのメンバーと小田幸子さん

このような私だからこそ、「仕事と家庭・子育ての両立」の大変さと面白さ、「ワーク・ライフ・バランス」の大切さと難しさ、そして、「多様な働き方」の重要性と必要性を感じることができたと思います。また、これまでの経験を活かし、平成27年から、フレックスタイム制度や短時間正社員制度、テレワーク制度を導入し、フルリモート社員を採用するなど、働きやすい環境づくりに取り組みました。

平成27年には「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」の二つ星認証を取得しています。

【35】社会保険労務士法人ティムス

取り組みを継続して行うことで、平成27年度に66.7%だった社員定着率を、令和3年度には100%に上昇させることができました!
今後も「やりたいことは全部やる!」その思いを大切に、目標として掲げたことに全力で取り組み、納得のいく人生を歩んでいきたいと思います。

小田幸子さんとその子供さん

 

小田幸子
社会保険労務士法人ティムス代表。社会保険労務士。キャリアコンサルタント。
長男12歳、長女8歳。
大学卒業後、専門商社で営業・企画・人材開発などの部署で10年間勤務。
女性のキャリアアップと結婚・出産に限界を感じ、退職。一生できる仕事として社会保険労務士を選び、独立を目ざし修行のためティムスへ入社。
その後社会保険労務士試験に無事合格し、その翌月に長男を出産。育休取得後復帰。
先代の代表と二人で法人化を実現。
第2子の出産と育休取得後、代表に就任している。

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