男性職員の育児休暇取得率100%を達成した日本生命保険相互会社をレポート

2015年の記事ですが、男性職員の育児休暇取得率100%を達成した日本生命保険相互会社のレポートを再度ご紹介いたします。

日本生命保険相互会社は、平成26年度「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」優秀賞を受賞されており、「真に最大・最優、信頼度抜群の生命保険会社に成る」という全員目標のもと、生命保険事業をはじめとした多岐にわたる商品・サービスを提供している企業です。この記事があなたのこれからのご活躍に役立ったかどうか、ぜひ下記の【きらめきエクササイズ】からアウトプットしてみてください。

今回は、女性職員9割の環境下で女性活躍の制度が充実する中、「男性職員の育児休暇取得率100%」を打ち出し、達成した取り組みをリポートします。制度の運営側である人事部輝き推進室調査役・小林あさひさんと、育児休業を利用した富田英将さんにお話を聞きました。

男性の育休取得率、「100%」目標に

女性社員の割合が9割という同社。以前は男性が育児休業を取る雰囲気はあまりなかったそうです。2013年に掲げられた政府目標では、2020年までに男性の育児休業取得率を13%にするという指針が出され、これを受けて2013年度から年間約300人の対象者が全員育休取得を目指す取り組みをスタート。指針とかけ離れた現状を改善し、また今までの風土と環境を一気に変えようと、当初から目標値を思い切って「100%」に掲げました。単に目標を掲げるだけでなく、バックアップを含む様々な取り組みも同時に始まりました。

育休取得率を高めた3つの決め手

目標を打ち出した当初は社内に「本当にやれるのか」という半信半疑の雰囲気が漂っていたといいます。そこで、100%を達成するための手段を大きく3つ実施しました。

1つ目は、部長クラスが集まる場で、ことあるごとに経営トップから会社全体の意思であるという「強いアピール」をすること。2つ目は、「雰囲気作り」。イントラ(企業内ネットワーク)を使って「イクメンの星」というコンテンツで育休体験談を紹介したり、「イクメンの星ハンドブック」(写真)で取得の趣旨やメリット、取得時期のアドバイスを伝えたりしました。そして3つ目は、「つぶつぶフォロー」。取得対象者に取得計画を出してもらい、計画通りに取得できていない人には電話などで個別に細かく取得を促しました。また、取得が難しい営業現場の責任者である営業部長には、支社から人材を派遣するというバックアップで対応。その成果もあり、実施初年度から取得率100%を達成しました。この達成状況は現在も続いています。

取得促進 思わぬメリットも

女性職員が多くを占める同社の発展には、女性たちの活躍が必要不可欠です。男性の育休取得には、育児と両立させて働く女性に対する男性職員の理解を深めてもらいたいという狙いもありました。そのことは、女性がより働きやすい職場環境づくりにつながりました。

また、7日間の休みを取るために計画的に仕事をすること、効率よく仕事をすることが必要になってきます。「どうすれば仕事の効率が上げられるか、考えるきっかけになった」という取得者の声があったそうです。営業現場では、別のところから代わりの上司が来て仕事をすることになったケースもあり、「今までになかったマネジメントを経験して新しい発見があった」という意見もありました。男性の育児休業の取得を促すことで、思わぬ好循環も生まれています。

実際に育休を取得して…富田さん

富田さん:1人目が2012年、2人目が2014年12月に生まれ、里帰り出産を終えた妻が青森から帰って来る時に取得しました。子どもを見ながらこなす家事の難しさ、自分のいない時間の妻の大変な日常を体感しました。普段は会社で働く時間に長く子どもと接することで、今までに感じることのできなかった表情や泣き声の違いを理解できるようにもなりました。2度目の取得となる今回は、1人目の時とは違い夫婦2人で2人の子どもを見るということで、以前には経験できなかったことを主体的にできたと思います。

仕事では自分以外のグループメンバーに迷惑が掛からないように日程調整をした上で、業務を効率化し前倒しで取り組みました。結果として、グループ全体の生産性を上げることができ、組織としての効果もあったので会社にも貢献できたかなと思っています。こういった経験を社内で共有できるよう積極的にイントラを利用し、フィードバックできるよう頑張りたいです。

さらなる充実へ、上司の理解が鍵

取り組みの初年度から取得率100%を達成しましたが、その時の経験から働きやすい職場環境整備、風土作りには上司(ボス)がキーになると考え、2014年にNPO法人ファザーリング・ジャパンの「イクボス企業同盟」に参画しました。また、当社独自の「ニッセイ版イクボス」を掲げ、管理職が実施する4つの「イクジ」を定めました。「育次(次世代育成に注力する)・育地(闊達な組織・風土を作る)・育自(自らも成長し続ける)・育児(部下のワークライフバランスを大切にする)」です。男性の育休100%取組を含めトータルにバランスよく「イクジ」に取り組むイクボスを増やすことで、職場環境のさらなる充実に取り組んでいます。

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戦争直後、戦争により夫を亡くした女性が巷にあふれる中、当時の社長が

「彼女たちは、その細腕で家族の生活を支えなければなるまい」と考え、積極的に採用。

この取り組みが業界全体に広まり、日本の生命保険業界の特色ともなったそう。

当時からいち早く女性活躍の支援を続けてきた同社には、

今までになかった大きな変化にも対応できる「思いやり」が今も息づいています。

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■企業情報

・会社名:日本生命保険相互会社

・創立:明治22年(1889年)7月4日

・代表者:代表取締役社長 筒井 義信

・従業員数:70,783名(うち内勤職員18,477名)

・本店所在地:〒541-8501 大阪府大阪市中央区今橋3-5-12

・TEL:06-6209-4500

・業務概要:生命保険業、生命保険業免許に基づく保険の引き受け、資産の運用、貸付業務、有価証券投資業務、

不動産投資業務、付随業務・その他の業務、他の保険会社その他金融業を行う者の業務の代理または事務の代行、

債務の保証、証券投資信託受益証券の販売、 確定拠出年金制度における運営管理業務

・ホームページ:http://www.nissay.co.jp/

・facebook:https://www.facebook.com/nihonseimei

・女性比率:約9割

 

 

※こちらの記事は2015年9月に作成された記事です。

※記載の内容は作成当時のものであり、取組みの内容等は変更されている可能性があります。

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