令和元年12月に開催した「両立支援講座」についての記事を再度ご紹介いたします。
大阪市では、女性の登用や女性が働きやすい職場づくりに積極的に取り組んでいる企業等を「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」として認証しPRするなど、企業における女性活躍の取組支援を進めています。
その一環として、令和元年12月13日(金曜日)に両立支援講座「チームで取り組む家事育児~男女ともに活躍するための両立とは~」を開催しました。
両立支援講座「チームで取り組む家事育児~男女ともに活躍するための両立とは~」の様子
講座には、企業等でお勤めの方々10名が参加されました。
講師は、社外メンターによる個別支援型プログラムを提供されているNPO法人アーチ・キャリア代表井本 七瀬様です。
誰もが活躍できる組織にするための両立支援(男性の育休促進・働き方改革・イクボス)
はじめに、家事育児分担の日本の現状等について、データの紹介があり、6歳未満の子どもがいる夫の家事・育児関連時間では、先進国中最低の水準にとどまっていることや、フルタイムで共働きの夫婦の家事育児分担でさえ、妻と夫で分担している割合が約3割にとどまっていることなどを学びました。
また、固定的な性別役割分担意識では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」といった考え方について、調査結果の数値では、現在は反対派が5割を超えているものの、「子どもが小さいうちは母親が傍にいてあげたほうがいい」「男は家族を養えてこそ一人前」といった、世代間・男女間での意識の差(アンコンシャス・バイアス※)が存在することが指摘されました。
※アンコンシャス・バイアス
自分自身が気づいていないものの見方や捉え方のゆがみ・偏り(他人に対してだけでなく、自分自身に対する思い込みも含む)。
一方、男性の家事育児参画について、組織・社会として取り組む動きが活発化していることや、現状では男性の育児休業取得率の割合はまだまだ低いものの、男性新入社員の約8割が「子どもが生まれたときは、育休取得したい」との調査結果の紹介がありました。
そして、家事育児参画について、「育児は育自」「積極的な関わりで親が一番成長する」「子育ては期間限定プロジェクト」「仕事にも活きるワークライフシナジー」であること、「夫婦の絆向上」や「家族としてのチーム力向上」などの効果をもたらすものであることを学びました。
チームで取り組む家事育児(家事育児分担と外部リソースの活用)
仕事と家事育児を両立していくためには、「誰かの仕事を“手伝う”のではなく、家事育児は家族みんなの仕事」というように、家事育児は“分担”するのではなく“シェア(共有)”する意識へ変えていくことが大切であるということを学びました。
そのための手法として、「現在の家事育児のタスクを洗い出し、見える化し共有する」「現在の役割分担をお互いに確認する」「やりたいもの、やめるもの、やり方ややる人を変えるものなどについて家族で話し合って決める」といった手順が示されました。
そして、「1人でやらない」「完璧にやらない」「夫婦二人だけでもやろうとしない」ということも大切であり、家族の内外にサポーターを作ることや、時短アイテムや技術を活用すること、民間や行政のサポートを活用することなども有効であるとの話がありました。
また、家事育児はチームで行うプロジェクトだと捉え、組織作り・チーム作りの強化をめざし、そのための組織の3要素として、「共通目的を持つこと」「情報共有を継続すること」「互いの協力意識」が大切であることを学びました。
参加いただいた方からは、「男性が育休を取得することについて前向きになれた」「ヒントや気付きを得ることができた」「自分自身や職場の意識を変えたいと思った」などの感想をいただきました。
※こちらの記事は2020年03月に作成された記事です。
※記載の内容は作成当時のものです