防災士ではない私が伝えたい防災。子育て支援者として防災への取組をする女性をご紹介します。

地域できらめく女性をご紹介します。

一般社団法人あおぞら湯代表の笠井あゆみ(かさいあゆみ)さんは、大阪市北区で大阪市地域子育て支援事業実施施設である「中津つどいの広場ぐぅぐぅ」と「豊崎つどいの広場ぐぅぐぅ」の2拠点を運営され、未就園児の親子が平日にいつでも遊べる居場所を作っています。幅広い世代がほっと一息つける昔ながらのお風呂屋さんのような、垣根のない居場所作りを目ざしています。

また、毎年「あおぞら防災ママ認定講座」を開催したり、防災イベントへ参加されたりしています。この講座や防災活動への思いなどを笠井さんに伺いました。

「あおぞら防災ママ認定講座」が始まったきっかけ

子育て支援事業を模索していた時に偶然出会った方から、防災の大切さについて熱く語っていただく機会があり、「防災のオリジナル講座に取り組むのはどうか」と強くすすめられたのがきっかけです。

初めは自身の取り組む子育て支援の活動と防災がどのように結びつくのかしっくりときませんでしたが、「とりあえずチャレンジしてみよう!」と重い腰をあげ、その後に出会った防災士の先生と、企画から一緒に考えていったのが始まりです。

「あおぞら防災ママ認定講座」開催当初から今までを振り返ってみて

私は、防災への苦手意識や、自分と防災は関係ないという思いがどこかにあり、講座を開催するにあたっても、具体的にどんなことをどんな風に学んでもらえばいいのか、イメージができない状況でした。そのようなことを考える中で、いつやってくるかわからない災害、住んでいるまちの想定される被害や災害特性について、私自身が何も知らないということを気づかされたのです。

そのような気づきから、「これではいけない、学んでみよう!」とまずは、自分の住んでいるまちの身近な行政窓口である北区役所地域課に相談しました。最初に行政を頼り、事業をスタートできたのは、持続可能な取組にしようという覚悟が根底にあったのだと思います。今思えば、さらにその奥には阪神・淡路大震災の被災経験があったのだと思います。

これまでの講座の企画を振り返ると、防災士の先生の「知識というベース(白いご飯)」に毎回違うゲストの「テーマ(おかず)」を融合することで、あおぞら湯は「名料理人(シェフ)の技=ファシリテーション能力」を発揮し、日々の飽きない身近な手料理のような、気軽な防災講座を演出することができていると感じています。

「あおぞら防災ママ認定講座」はどのような雰囲気ですか?

例えば今までの講座では

  • 防災の備え、何から始めるの?
  • 非常用持ち出し袋を作ろう!何が必要?
  • 非常食を食べてみよう!
  • 要援助者のための防災について考えてみよう!

などをテーマにグループワークでアイデアを書き出してもらったり、非常食にもなる身近な缶詰の好みについて語ったり、非常食試食の感想を言い合ったり。女性同士でワイワイとおしゃべりをしながらも防災について話し合う時間をとっています。

また、災害について知り、火災、地震がどう違うのか?わかっているようで曖昧な概念について考え直したりしながらいざという時の備えについて考えたりもしました。夏休みには「子どもと一緒に防災について考えよう!」という企画も実行しました。

そして、防災士の先生からは身近な生活の中にプラスして防災に取り組める知恵や、防災の取組を継続していくために無理のない『普段の生活にプラスする発想』をたくさん教えてもらっています。

子育てと同じでそれぞれの家庭ごとに備え方が違うのが防災です。日常の暮らしに防災の知識をプラスする発想を持ってもらいたい、希薄になったと言われる地域力が災害時に力を発揮することを知ってもらいたい、『我が家流の防災』を編み出してもらいたい、そんな思いで毎年講座を開催し続け、令和4年は7期生を迎えようとしています。

今後の活動への思いをお聞かせください!

子育て支援者として、このまちに住む住民として、日常的に優しい社会は、有事にも強い力を発揮できると信じています。住みやすくて、助け合える社会が必要であることをこれからも伝えていきたいです。「もしも」のためだけに活動しているのではないと自分自身にも言い聞かせています。

また、令和4年4月から、地元小学校でミニバスケットボールのボランティアコーチとして、小学生とその保護者とも関わっています。子育て支援の延長として、小学生の指導を通して、この世代ともゆるやかにつながりを築いていけるように、そんな思いでコーチ活動を始めました。

あくまでもさりげなく、無理せず、でも覚悟を持って活動していくことで、身近になってきた「防災」という取組を表面的な”はやり”で終わらせず、あおぞら湯のスタッフと共に学び、力を発揮していきたいと思っています。

北区には、地域と北区役所が協働して制作した「大阪北区ジシン本」があります。これは北区の災害特性や、もしもの時の備えなどをまとめたガイドブックです。あおぞら湯では、このジシン本の普及・啓発事業をお手伝いしており、これまでの子育て支援の活動を生かしながら、北区内の企業や福祉施設、保育施設にも幅を広げて啓発講座等を開催しています。

「地震」が起きても、「自信」をもって、「自身」を守れるようにしておきたいですね!

笠井あゆみ
一般社団法人あおぞら湯代表理事。赤ちゃんを迎えた家族が、住んでいるまちに溶け込み、まわりの助けを感じながら自立した生活を送れるような「つどいの広場」を運営、大阪市北区で子育て支援を展開。幅広い世代がほっと一息つける時間を共有できる昔ながらのお風呂屋さんのような垣根の低い居場所作りを目ざしている。その傍ら、あおぞら防災ママ認定講座を展開。動画教材で防災を学び、2016年からスタートした1期生以降の受講生多数と今でも交流しながら、みんなで防災に関する学びを深めている。北区役所と協働で防災に関する冊子も制作している。
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