まち、ひと、地域の輪をつなぐ街頭紙芝居【チャレンジの先輩に聞く!活動を始めるヒント Vol.39】

おきゃんさん

おきゃん さん
(一般社団法人 社会の窓社 紙芝居師)

育休中に出会った街頭紙芝居

昭和初期から戦後にかけて、子どもたちの大きな楽しみのひとつであった街頭紙芝居。テレビやインターネットの普及により、今ではほとんど見かけることがなくなりました。おきゃんさんは、数少ない紙芝居師のお一人です。

以前は仕事をしながら、地域で読み聞かせのボランティアをされていました。出産を経て、育休に入ったタイミングで新型コロナが流行。ボランティアの活動も休止せざるをえない状況になります。人と会う機会も減り、悶々とする日を過ごす中、現師匠の紙芝居ワークショップを見つけ参加することに。そこで、子どもも大人も楽しく紙芝居に参加している光景を目にすると同時に、街頭紙芝居の自由な表現に可能性を感じ、感銘を受けます。「わたしもやりたい!」。その思いから、現所属団体への弟子入りを決め、紙芝居師としての一歩を踏み出します。

子どもの頃から絵を描くことが好きだったおきゃんさんは、その特技も活かして、タブレット型端末を使いオリジナルの紙芝居を制作。そして2021年、「おきゃん」という名で、社会の窓社の紙芝居師として活動をスタートします。

子どもも大人も一緒に楽しめる場所


▲「TORI de紙芝居」@TORI美容院

活動の場所は、地域のお祭りや、保育園、商店街など様々。
美容院や居酒屋など一見、紙芝居とは縁のないような場所でも、自身の縁のある場所だからこそ足を運んだり、時には先輩紙芝居師さんを介して、新たな場所を紹介してもらう等、積極的に活動の範囲を広げます。

「学校や職場だけでない、別のコミュニティも持って世界を広げてほしい。そして子どもだけでなく大人も一緒に楽しめる場を作りたい」というおきゃんさんの紙芝居は、人が出会い、集い、交流できる場としての役割も担っています。観客が自然とその空間に入り込んで、みんなで一緒に物語を作っていくように、場の一体感を高めているそうです。

2022年6月には、クレオ大阪中央で開催した地域イベントで、紙芝居会を開催。「知らない人と出会うのが楽しい」という言葉通り、おきゃんさん自身も観客と一緒に、その場を楽しんでいる姿がとても印象的でした。

▲「みんな集まれ!おきゃんの紙芝居」@クレオ大阪中央

紙芝居はコミュニケーション

今年(2022年)初めには、新しい取り組みとして、お風呂屋さんで「紙芝居銭湯展」を開催しました。浴室や休憩室に、おきゃんさんの紙芝居や、銭湯でのマナーなど、ユーモアを交えてストーリーにした作品を展示。銭湯と紙芝居という、これまでにないコラボを実現しました。地域に根付く古き良き憩いの場所に、今まで行ったことのない人も足を運ぶきっかけになったといいます。

▲おきゃんの紙芝居銭湯展@湯処あべの橋

チャレンジをし続けるおきゃんさんに活動を広げるヒントをお聞きすると、「自分の活動を発信し続けること。そしてやりたいことは怖がらず周りに言ってみる。すると、応援してくれる人や協力してくれる人が現れて新しい活動に繋がりました。」と自身を振り返ります。

紙芝居を通して、良い出会いも増えたというおきゃんさん。今後はその出会いを繋げ、駄菓子屋さんとのコラボイベントや、お寺や公園など新たな場所での街頭紙芝居を予定しているそうです。

紙芝居は時代を経て、新しいコミュニケーションのツールとしても進化し続けています。老若男女に愛されるおきゃんさんの街頭紙芝居、ぜひ街のどこかで触れてみてください。

一般社団法人 社会の窓社
https://madosya.com/
おきゃんさんインスタグラム
machi.omachiko

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