山口敦子さん
(一般社団法人親子の絆をはぐくむ子育てラボ代表理事)
自分が住むまちを子育てが楽しめるまちにしたい
山口さんは、「親子の絆をはぐくむ子育てラボ」の代表として、福島区のつどいの広場「ママcafé@fukushima」を運営し、子育てが楽しくなるコミュニティをつくる活動に取り組んでいます。その他にも運動指導をベースに、産後の女性のケアやキッズダンス、ベビーマッサージなど、ココロとカラダの健康づくりをお手伝いするという活動もされています。
元々、健康運動指導士、ダンス&スポーツインストラクターとして活動していた山口さんですが、地域活動に関わるきっかけとなったのは、福島区に引っ越してきたことと自身の出産でした。自分が子どもと過ごすことになるこの街を子育てが楽しめる街にしたいと思った山口さんは、1歳の子どもを抱っこしながら、福島区の区役所や社会福祉協議会、こども・子育てプラザなどに通ったそうです。
「抱っこ紐で子どもと一緒にあちこち行っていたこともあり、すぐに顔を覚えてもらえたと思います」と笑います。何度も通うことによって、徐々に顔見知りも増えていきました。
つながりから得られるもの
福島区で地域の人たちと子育てをしやすい街づくりをしたい、親子で楽しめるイベントを開催したいという山口さんの精力的な動きが進むにつれて、周りの人からも徐々に声がかかるようになります。
例えば、街づくりイベントの一環で「地域で多世代交流」をテーマに音楽イベントを開催したこともあります。子育て中のママからの「あったらいいな」「こんなことやってみたい」という声から実現したものです。最初は地域とのつながりや経験もありませんでしたが、想いや熱量で実績はついてくることを実感したそうです。
地域での活動で心がけていることは、顔見知りや仲間をいっぱい増やすこと、人とコミュニケーションをとることと語ってくれました。会って対面によるものだけではなく、場合によってはSNSでメッセージを送ったり、感銘を受けた本の著者に手紙を書いたりすることもあるといいます。知りたいことを人に聞くのは大事なことで、その結果、人を紹介してもらったり、知らないことを学ぶ機会になったそうです。
お話を聞いている間、山口さんの口から出るのは前向きな言葉ばかりでした。そこで、「どうしてそんなに行動的になれるのでしょうか?一歩踏み出せないときなどはないですか?」という質問を投げかけてみました。
山口さんからは「初めからやらないと諦める選択を自分からしていませんか?」という答えとともに「その時は思う結果がついて来なくても、それは失敗ではなくありたい未来への経験値はあがっているということなので、目先の結果にこわがらなくても大丈夫!」と力強い言葉が返ってきました。
できない理由ややらない理由を挙げても自分のためにはならないので、やると決めたら、「誰に相談しよう、どこに行こう、最終ゴールは何だろう」などを具体的に徹底して考え、もし、行き詰り悩んだときは「これは何のためにやっているのか」と原点に立ち戻って軌道修正し、それを「自分ミーティング」と名付け、意識的にそのような時間をとっているとのことでした。
いろんな人と一緒に活動することも多い山口さんですが、人とのつながりを得るために、いつも「その人にとってもよい時間になること、いわば小さなギフトを贈る気持ち」を心がけ、自分のやりたいことだけではなく、相手のメリットも考えることを大切にしているそうです。
ふらっと立ち寄れるパワースポット
地域での活動とインストラクターの両輪で活動していた山口さんですが、地域の子育て中の女性たちがふらっと立ち寄ることができる常設のコミュニティを作りたいと、令和2年度から「つどいの広場」の運営にもチャレンジされています。
そこは安心して何でも話せる、いわばパワースポットのような場所。そのために悩みを抱える女性たちを援助できる資格取得の勉強もしているそうです。
相手を思いやりながら自分ができることややりたいことを積み重ね、常に動いているからこそ、山口さんは多くの人を引き寄せるのだと感じました。山口さんのポジティブで人を元気にするパワーは、これからもたくさんの人を元気づけてくれることでしょう。
一般社団法人親子の絆をはぐくむ子育てラボ
HP https://ameblo.jp/mamacafe-2017/