廣川文花さん
(baila Creative Space Café代表)
妊娠・出産をしたら自分のやりたいことは諦めないといけない?そんな風に感じる方もたくさんいるのではないでしょうか。
玉造にあるカフェ「baila -Creative Space Café」のオーナーであり、「子どもと暮らしながら、“ひとりの人間“としてやりたいことや好きなことを続けられるようなひとを増やしたい」という思いから活動を続ける、廣川文花(ひろかわ あやか)さんにお話を伺いました。
子どもと暮らしながら、好きなことをやりたい!
大学を卒業して企業に就職するのは当たり前?子育ては女性がするもの?そういった社会環境の中で感じる固定観念による「違和感」が、廣川さんにはあったといいます。
学生の頃バックパッカーとして国内外を巡るなど、普段から活動的な廣川さんですが、22歳で妊娠したとき、「妊娠・出産をすると自分のやりたいことができなくなるのでは?」と悩みました。しかし、そんなときにパートナーから「お母さんである前に一人の人間だよ」と声を掛けられ、やりたいことに挑戦しようと決意しました。
カフェというツールを使って、人が集える場をつくろうと店を開業したのは2018年。一人目の子どもを出産した翌年でした。
カフェというツールを使って集える場をつくる
やりたいことに挑戦しようと動き始めた頃、たまたま現在の場所が使えることになり、そこでできることを考え、カフェを開業することにした廣川さん。親同士が交流できる場づくりをめざし、オープンな場所にしたいという思いから、親子カフェとして「baila」がスタートしました。
コネなし・ツテなし・カネなしのスタートで、やりたいことへの思いと利益を得るためのバランスをとることが難しかったそうですが、イベントの企画やSNSでの情報発信・交流など、集客のために工夫を続けています。
現在は、カフェ事業以外にも、赤ちゃん連れで参加できるベビーマッサージやベビーヨガ、子ども向けのお小遣いセミナーや英語教室、間借りカフェなどに場を提供し、レンタルスペースとしての運用も並行して行っています。レンタルスペースで講座を開く講師も子育て中の方が多く、もともとカフェのお客様だった方や、SNSで廣川さんの思いに共感し出会った方が担当するなど、この場をきっかけに新たなつながりが生まれています。
3人の子どもと暮らしている廣川さんですが、保育園に預けず、店で子どもを見ながら仕事をしていました。今でも土日は一緒に店に行くことが多く、店の仕事を手伝ってもらうこともあるそうですが、何をするかは彼らの自主性に任せています。また、開業当初から通われる常連のお客様が多いので、子どもの成長を一緒に見守ってくれています。お客様の協力なしでは成り立たない営業でした。
「家族だけでなく色々な人とコミュニケーションをとり、関わることは、子どもにも自分にもいい経験だった」と廣川さんは振り返ります。
子育てはひとりでやる必要はありません。多くの人と関わることで、親でも先生でもない、子どもにとって信頼できる人が増えたそうです。それだけではなく、子どものおかげで店の雰囲気が明るくなり、よりアットホームな店になりました。
同じ思いを持つ人をつなげたい
親子カフェとして始まった「baila」ですが、現在は「カフェ+クリエイティブスペース」と形態を変え、親子に限らず間口を広げ、チャレンジしたいことのある人にやりたいことに踏み出す場を提供し、応援していきたいと進化を続けています。
5年に渡るカフェ・スペース運営を通じて、開業時からやりたいことが広がっていると廣川さんは実感しています。カフェ開業当初から活動の軸は変わりませんが、やりたいこと・思いを表現する方法が変わったそうです。
現在廣川さんは、「baila」の運営以外にも、動画制作や、オンラインサロンの開催にも取り組んでいます。生き方・働き方を自分でつくりたいと思っている人同士がつながり、やりたいことをやる中で感じた社会課題や違和感も、気軽に話し学び合える場づくりをめざしています。
できない理由を解決する力に
これから活動を始めたいという方に向けて、廣川さんに応援のメッセージをお願いしました。
「何かやりたいことがあっても行動ができていないときは、それを妨げていることが何なのか、考えてみることが大事。なぜできないのか、箇条書きにして思考を整理し、解決方法を模索し行動してみてはどうでしょうか」とのことです。
さらに活動の幅を広げている廣川さん。今後の活躍が楽しみです。
baila Creative Space Café
https://buncacreate.studio.site/baila