大学院生として研究を進めながら、家庭と仕事を両立している女性を紹介します!

現在仕事と家庭を両立する傍ら、大阪市立大学大学院創造都市研究科博士後期課程に在籍し、ジェンダー研究を行う岩田千栄美(いわたちえみ)さんにお話を伺いました。

岩田さんは上場企業にて、20代で初の女性部長として活躍されたご経験があります。約100名もの部下を統率する中で、2児をご出産されました。その後独立し、女性活躍推進の観点から企業の社員教育や自治体職員研修などで講師を務めてこられました。

そして、今はお子さんお二人(9歳と7歳)を育てながらも現役の大学院生として研究を進めておられます。

なぜ、大学院に進学することとなったのか。
どのようにして、「家庭」と「仕事」と「研究」の3輪を回しておられるのか。
岩田さんのこれまでの経緯や、今後の目標についてもお話を伺いました。

今に至るまでの経緯について、教えてください。

企業で管理職として働いていた頃、出産後も在籍していた会社で復職することは可能でしたが、いわゆる「マミートラック」に陥ってしまい、その状況を続けていくことに悩みました。「マミートラック」とは、育児と仕事を両立しやすい働き方である一方、キャリアアップの機会は閉ざされた状態を指します。子育てをしながら働くには確かに時間的制約が生じますが、たとえ独身の頃のようにいかなくても、仕事をしている時間はチャレンジングな、よりやりがいを感じられる仕事をしたいと思い、独立する道を選択しました。

退職後、フリーランスとして様々な企業様を支援させていただくうちに、女性一人ひとりが頑張っても、会社(組織)が頑張っても、日本の社会構造としての問題が女性のキャリアには大きく影響すると感じるようになりました。

私自身も育児をしながら働く立場になってみて、「しんどい」というのが率直な感想です。働く女性の「しんどい」を生み出しているのが社会構造だと考えます。社会構造に課題があるのに、それに対して何もしないで女性個人や組織にだけ課題解決のためのアクションを求めるのは無責任であるように感じ、いったい社会構造の何が問題なのか、その問題はどのように変えていけばいいのかを明らかにしたいと考え、大学院に進学しました。

ジェンダーという言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。多義的な概念ではありますが、「性別に関する社会的規範と性差」を意味します。

最近話題に良く上がるSDGs(持続可能な開発目標)にも、ジェンダー平等が含まれています。SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能で、よりよい世界をめざす国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成されており、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。 その17のゴールの中で5番目のゴールとして”ジェンダー平等”「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う(Achieve gender equality and empower all women and girls)が掲げられています。

ジェンダー平等に関する社会問題は多岐にわたり、SDGsのゴール5にも6つの主要な点が提示されています。その中の1つに、「政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する(Ensure women’s full and effective participation and equal opportunities for leadership at all levels of decision-making in political, economic and public life)」というものがあります。

私は民間企業で管理職として働いていた経験から、政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、女性の参画が必要だと感じており、これを自分の研究テーマと定め、どうすればジェンダー平等に関する社会問題が解消されるのか、研究を進めています。

大学院で学びながら仕事と家庭も両立する工夫点を教えてください。

どれも一生懸命やろうとすると到底時間が足りないので、手間を省けるところは省いています。家事も育児も必要最低限をクリアしていればそれで良いと思っているので、自分が納得する形で済ますところも多いです。家族全員が”自分ができることは自分でやる”というスタイルが我が家流。家族で一丸となりながら家のことをやって、どうにか回っている感じでしょうか。

子どもが小さい頃は、よく病気をしたこともあり、自分の思うように時間が使えないことにフラストレーションを感じたりもしました。今でもイライラしてしまうことはありますが、子どもたちも成長と共に病気をすることが減り、子育てをしながら働くという状態に慣れてきたこともあって、少々のことは落ち着いて対処できるようになったと思います。

出張が重なったりすることもありますが、仕事をするときは仕事に集中し、余暇は子どもたちの成長を実感しながら、今しかない子どもとの時間を大切に過ごしています。

今後の目標とめざすところを教えてください。

ジェンダー研究の実績を積み重ねながら、届きやすい情報発信をしていきたいです。
社会構造としての課題は多くありますが、そこに関心を持っている人は多くありません。無関心が課題解決を阻んでいると感じます。子どもたちやその子どもたちの世代に課題を先送りすることのないよう、多くの人が関心を持てるような情報発信をしていきたいと思います。

今やダイバーシティ実現をめざす動きが活発です。働き方改革で会社も変わり、女性としても成果を出せる働き方になり、自分も変わり、会社・家庭でのジェンダー平等で社会も変わる!そんな世の中になることを祈っています。

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