京都女子大学で学ばれている梅原 恋子(うめはら こいこ)さんは、学外の学生主体の団体で学生事務局長として活動をされています。どのような活動をされているのか、そこでの苦労や力を注いでいることを伺いました。
ハッピーアースデイ大阪ではどのような活動をされていますか?
ハッピーアースデイ大阪とは、平成22年からはじまり本年(令和5年)で13年目を迎える日本初の学生主体のアースデイ(地球のことを考え行動する)組織です。現在は、中学生から社会人までのメンバーが約30人所属し、誰もが自由に環境について考えています。
活動内容は、大きくわけて2つのことに取り組んでいます。
①1年間を通して定期的な勉強会やフィールドワークを実施
②1年間の集大成として、毎年3月に大阪府八尾市の久宝寺緑地にて環境イベントを2日間開催
①についてもう少し具体的にお話しすると、海や街へみんなで出かけ、ゴミ拾いをしたり、「かたるーむ」(語る+ルーム)イベントを主催し、実行委員や参加者と環境問題について語り合ったりしています。令和4年は学生メンバー6人で香川県へアースデイ旅行としてフィールドワークに出向き、海のマイクロプラスチック調査をしたり、現地のたくさんの方にお話を聞いたりしました。
②については、ハッピーアースデイ大阪の一大イベントとして続いています。
令和5年は「ハッピーアースデイ大阪2023」を3月25日(土)・26日(日)に開催します。
飲食、雑貨などを扱っている環境に配慮した出店者を集めたマーケット開催や、実行委員が今みなさんに知ってほしいと思っている環境問題や社会課題などを伝える展示、ワークショップ、講演、パフォーマンス、ヨガといったステージ企画など、楽しみながら環境問題について学び・考えることができるイベントです。
どうして梅原さんはハッピーアースデイ大阪に入ろうと思いましたか?
きっかけは、別の国際協力イベントで知り合った方からこの団体について紹介していただき、活動に誘われたからです。
私は初めから環境問題に対して深い知識があったわけではありませんが、参加するにあたって環境問題が抱える気候変動などの厳しい現状を知り、環境問題に興味が湧きました。「もっと深く知りたい!私にも何か出来ることがあるのではないか」と思ったためハッピーアースデイに参加しました。
そして、ハッピーアースデイ大阪には問題に対する「自分の想いを語り合える場」があり、自分らしく振る舞える居心地の良い団体であったことが決め手でした。
また、団体名に「ハッピー」とつくように、ポジティブなアクションで環境問題を解決したいという方針にも感銘を受けました。
ハッピーアースデイ大阪の実行委員になってみて、苦労したことはありますか?
私が参加をした頃は、コロナの影響もあって実行委員の人数がとても少なく、活動形態もオンラインを併用せざるを得ない状況だったために苦労しました。
慣れていないzoomやslack(ビジネスチャットツール)でのコミュニケーションで新規実行委員の定着に苦戦しつつも、「どんな形であってもイベントを開催したい!」との想いがあり、オンラインの活用方法を模索していきました。
別団体で培ったやり方を参考にしつつ、新しいイベントのあり方を考え、令和3年は例年とは違う形ではありますが、3月の1ヶ月間を「アースデイ月間」と設定し、オンラインイベントを週1回開催するとともに、オフラインイベント「アースデイ2022」を1日開催することが出来ました。
実行委員メンバーの人数は少なかったですが、それぞれが自分にできることを探し、支え合うことでコロナ禍の活動を乗り越えられたと思っています。チームワークの良さも誇れる団体です。みんなが無理のない範囲で力を注ぎ合い、創り上げていく楽しさがあります。
学生事務局長としてどのように力を注いでいますか?
私は令和3年から学生事務局長として運営面を担当しているので、①新規メンバー募集と②ハッピーアースデイ大阪の方針転換に特に力を入れました。
①新規メンバー募集について
所属後1年間実際に私が経験してみて「ハッピーアースデイ大阪は魅力のある団体であり、価値のある活動をしている」と実感したことで、もっとメンバーを増やし輪を広げていきたいと考えていました。
新規メンバーの募集に関しては、オンラインを使用した個別対応や団体の雰囲気を味わってもらうため説明会と同時に大阪城周辺のゴミを拾い、いつもの会議場所で映画を上映するなど工夫することで、私が感じてきた想いや行ってきた活動を直接参加者に丁寧に伝える場を設けました。
その結果、新たに参加してくれるメンバーは20人程度集まり、前年よりも定着率をあげることもでき、今も一緒に活動してくれていることに感謝の気持ちでいっぱいです。また、令和4年に集まったメンバーはイベントよりも環境問題そのものに関心を持って入ってくれた人も多く、私も常に新メンバーに感化されてきました。
②ハッピーアースデイ大阪の方針転換について
ハッピーアースデイ大阪の方針転換では、新たに加入したメンバーの関心や既存メンバーの前からの悩みであった「自分たちももっとアクションを起こしていきたい!」という想いを明言化すべくビジョンの変更を行いました。
元々のハッピーアースデイ大阪の方針は、「One Step for Action」でした。この意味は「今まさに環境問題に取り組んでいる団体や取り組もうとしている人の背中をそっと押せる存在になりたい!」そんな思いで掲げられたものです。アクションを起こした人・これからアクションを起こす人、それぞれの新たな1歩のための活動をしたい、そんな想いが込められています。
しかし、環境問題の深刻な状況をそれぞれが学ぶうちに、同じ想いを持つ人を受け入れて一緒に行動していきたい。そして、無関心な人々に地球の問題を考えてもらうきっかけ作りをすることで、「ハッピー」な地球をつくっていきたいと考え、新たなビジョンを策定しました。
これからのハッピーアースデイ大阪は、「大阪からみんなでつくる、ハッピーな地球。Our Action for Earth」をビジョンとして掲げ、大阪から皆さんと共に、全ての生きものにとって幸せな地球をつくりたいと考えています。
令和5年3月の一大イベントの準備は進んでいますか?
現在実行委員のメンバーは令和5年3月25日(土)・26日(日)に開催されるイベント「ハッピーアースデイ大阪2023ーいつもありがとう わたしと地球ー」に向けて準備を頑張っています。
今年のイベントテーマは、ーいつもありがとう わたしと地球ーに決まりました。目まぐるしく動いていく世の中からホッと一息ついて、もっとゆっくり地球や社会、そして自分と向き合うことができる場所にしたいという想いがこめられています。
今年の実行委員の考えた企画について、少しご紹介します。
実行委員企画とは、ハッピーアースデイ大阪のメンバーが今みなさんに知ってほしい環境問題・社会問題のテーマを選び、分かりやすくワークショップや展示などで紹介する企画のことです。今年選んだテーマ/キーワードは、「気候変動と防災・ゴミ問題・ジェンダーと食・石鹼・アパレル・SDGs」です。
具体的には、防災グッズをつくってみたり、ゴミ拾いに出かけてみたり、古着のお譲り会や環境やジェンダーに関する実行委員の想いを語る講演会をしたり….と、体験出来て語り合える企画がたくさんあります。
現在、当日のボランティアとして実行委員企画や運営をお手伝いしてくださる方を絶賛募集中です。
リユース食器ブースの運営業務、各ワークショップ・展示ブースの運営業務、実行委員企画のサポート、当日搬入業務、最終日搬出業務、アースシネマの設営運営、アースシネマの声かけなどを行なっていただきます。環境問題へ関心があるという方だけでなく、ハッピーアースデイ大阪に関心がある方も是非ボランティアから参加してみませんか。ハッピーアースデイ大阪の魅力やイベントを作り上げる達成感を感じていただけると思います。
詳しくはこちらをご覧ください。
(ボランティアのお申込等)
※受付終了※
大阪府八尾市の久宝寺緑地まで是非遊びにきてください!お待ちしています。
(ハッピーアースデイ2023 開催概要)
https://www.happy-earthday-osaka.jp/hedo23
ハッピーアースデイ大阪2023:学生事務局長
HP:https://www.happy-earthday-osaka.jp
Instagram:https://www.instagram.com/happy_earthday_osaka/
高校時代に主催した国際協力イベントをきっかけに、社会問題に関心を持ち、ハッピーアースデイ大阪の活動の他、ジェンダー平等啓発に関する学生団体の立ち上げや京都市市民公募委員を経験。これまでの活動を活かしながら、学生の視点に立った意見を述べるべく、大学主催のシンポジウムにパネリストとしても登壇。