インターネットを活用した通信制高等学校の1期生として平成30年6月に卒業し、今は「ニートであり、起業家」と自分を表現する冨樫 真凛(とがし まりん)さん(令和元年9月現在満19歳)に過去のご経験を振り返ってお話をうかがいました。
中学生の時ニュージーランドに留学を決意!
中学2年生の終わり頃、今後の進路を考え始めた時に、「このまま周りと同じように普通にレールに乗って高校に進学し、勉強し続ける3年間は嫌だ!なんだか私らしくない!」と思った富樫さん。
日本の高校進学に代わる選択肢を考え始め、留学という道を選び、親にこの話をしたところ、「行っておいで」と背中を押してもらえました。
留学先は、ニュージーランドのクライストチャーチに決定。
ニュージーランドに「こだわり」があって選んだわけではなく、英語圏であること、治安が良いこと、留学費などを考慮した結果でしたが、なんと!卒業を待たずして、中学3年生の6月に留学をスタート!その後、約2年間に渡り、現地の公立校に留学しました。
ニュージーランドで学んだことや感じた事
その当時、英語が堪能なわけではなかったため、現地の人とのコミュニケーションが全くとれませんでした。このことから、さまざまな問題が発生します。
授業内容は理解できず、ホストファミリーとのコミュニケーションすらほぼとれないような状態でした。
日本に電話をかけようにも国際電話のかけ方も分からず、それを誰にも聞けません。さらに、学校の相談窓口に行っても英語が通じないため、理解してもらえませんでした。
はじめは本当に辛い状況が続きました。
しかし、少しずつ英語に慣れ、生活にも馴染みはじめてきた頃には、留学生活が楽しくなってきました。
ニュージーランドで学んだことはたくさんありますが、まず何より「他人との違いを受け入れる」ということを学びました。
ニュージーランドには移民が多く、私が通っていた高校にも移民や留学生がたくさんいました。それぞれ信仰している宗教も違えば、バックグラウンドや価値観も全く違います。そんな人たちと、同じ場所で同じ時間を共有することによって「違い」というのは「魅力」でもあり、受け入れて、共存していくものだということを学びました。
また、違いがあるからこそ人は面白く、違いからシナジーは生まれるということも感じました。
帰国後、インターネットを活用した通信制高等学校に入学
帰国後は、特にやることは決まっていなかったのですが、たまたま見かけたインターネット上の広告で、インターネットを活用した通信制高等学校を見つけ、一般的な科目にとらわれない豊富なカリキュラムや、場所や時間に拘束がない学びを提供してくれることから入学を決意しました。
また、スタンフォード大学国際留学プログラムなどのオフラインコンテンツも魅力的に感じました。何よりネットの高校なので、自分の時間が大幅に増える。増えた時間で将来へ繋がる多くの経験ができるのも魅力でした。
高等学校での学び・体験
高等学校に入学し、様々な分野で活躍されている大人たちの生き方に触れることができたのが一番の学びでした。
私は入学当初より幼児教育に興味がありましたが、活動の前に何が必要なのか、どんな知識をいれておくべきなのかなど全く分かっていませんでした。
そんな中、自分のやりたいことを形にしている大人たちに出会うことができ、人の巻き込み方やビジネスの考え方など、学校という枠に捉われないことにより「学校で生きていくための力」ではなく「社会で生きていくための力」を教わったと思います。
そして、どんな些細なことや一見興味のない分野でもまずはやってみて、チャレンジし続けられた学園生活でした。
高校生でありながら、幅広いジャンルのお仕事を経験させていただき、自分なりの仕事の仕方や向き不向き、自分のこだわり、強みと弱みなど、「自分」をみつけられた学園生活だったと思います。
学園生活の中でも、スタンフォード大学、オックスフォード大学との提携プログラムに選抜され参加したことも良い経験となりました。
オックスフォードへの留学の際にはクラウドファンディングで資金を集め積極的に活動したことが評価され、卒業式では全1期生の中からたった8名のみいただける輝かしい賞に選ばれました。
自分でも誇れる賞とともに高等学校を卒業し、今現在は自分で道を切り開く毎日。そんな”今”の取組について、次回はお話ししたいと思います。