「できるか、できないか やってみたらわかる」チャレンジの先輩に聞く! 活動を始めるヒント vol.24

太田めぐみさん

太田めぐみさん「遊びのまなびや とびっきり!代表」をご紹介します。

 

運動大好き少⼥から指導者の道へ

⺠謡「安来節」で名⾼い島根県安来市で生まれ育った太田めぐみさん。春には雪解けの⽔が流れ、夏には満天の星空、秋には豊かな実り、冬にはハクチョウが飛来する。そんな豊かな自然の中で野山を駆け回って育った太田さんは自他ともに認める運動大好き少⼥でした。
⾼校卒業後、地元を離れ大阪の体育専門学校で幼児⽔泳や幼児体育について学び、卒業後はスポーツ施設などで子どもたちの運動指導に携わる日々を過ごしました。幼児期に身体をしっかり動かして遊ぶ経験は、身体機能はもちろん知能や心の発達の上でも大事であり、さらには生涯の健康維持にも役⽴つということを学んできた太田さんには運動遊びのニーズが減少していることに残念な気持ちを持つようになっていきます。
「子どもたちに自然の中で思いっきり遊んだり学んだりできる体験をさせてあげたい。」

 

背中を押してくれた⺟の⼀⾔

子どもの教育や野外活動に携わる団体は数多く存在しますが、太田さんは島根の実家が所有する山林や田畑を活動の場にできるという強みがあり、‶都会生まれ、マンション育ち”の子どもたちに自身が昔走り回った野山を駆け回ってもらいたい。

そんな想いを強くお持ちでした。

そう思ったものの、「私にできるかな︖」となかなか一歩踏み出せずにいたある日、実家のお⺟さんにこう言われたそうです。「できるか、できないかは、やってみたらわかる。」

時を同じくして「何か⼿伝おうか︖」と言ってくれる友⼈が現れ、背中を押されるように2018 年7 月、知⼈の勧めで「⼥性チャレンジ応援拠点(以下、拠点)」を訪問。緊張しながらも「冷静に熱く」想いを語ってくれました。

想いを伝えることで、活動が前進

太田さんが初めて拠点に相談に来られた時の資料は⼿書きでした。想いは伝わるものの、対外的に発信するうえでの⾒栄えは課題でした。そこで、文章作成ソフトを使ったパソコンでの資料作りを勧めました。パソコンが大の苦⼿の太田さんでしたが、知⼈の助けもありミッションをクリア。インパクトのある資料が完成しました。太田さんは、自分の想いを「まずは話してみる」ということを心掛けているそうです。そうすることで、「いいんじゃない」や「⼿伝うよ」など、活動を⼿伝ってくれる方に出会うことができるといいます。時には共感を得られなくて否定されることもありますが、そこで落ち込むのではなく、そういう考え方があることを受け止めるようにしているそうです。自分自身の苦⼿なことでも、怖がらず話すことで、いろいろな方と想いを共有し、協⼒を得ながら活動を前進させておられます。

 

子どもたちの変化が⾒えるのが嬉しい︕

「遊びのまなびや とびっきり︕」では、豊かな自然の中で様々な生き物の営みや生命の連鎖、野山や田畑の豊かな恵みなど、都会では出会えないとびっきりの経験ができる場にしたいと考えていました。その熱い想いがいよいよ実を結びます。地域の子育て支援団体からの紹介もあって、2019 年夏いよいよ大阪市内の学童保育施設に通う⼩学一年生の子どもたちと先生15 ⼈が太田さんの故郷を訪れる機会がやってきました。

野山で思い切り遊ぶ都会っ子たちは⻑旅の疲れなどみじんも感じさせません。⽵林から⽵を切り出して工作したり、川遊びを楽しんだり、野山の生き物の生態を自分の目で⾒て、⼿で触って体中で自然を楽しんでいました。日ごろ野菜嫌いで少食の子が多いと先生方から聞いていましたが、その時は「おかわり︕おかわり︕」の連発で、相当余裕をもって用意していた食材も底をついてしまうほど。親元を離れ、スマホやゲームのない環境で仲間と共に自然とふれあい、ぐっすり眠る。何事にも積極的に挑戦し、やり遂げる姿を⾒せてくれた一泊⼆日の旅となりました。

 

今できることをひとつずつ

今は新型コロナウイルス感染症の影響で子どもたちを現地に連れていく活動はストップしていますが、太田さんはくじけていません。8 月には、マッチやライターを使わずに火を起こす体験会や島根から届いた大きな⾚シソ⻘シソでジュースやシソ味噌を作ったり、染め物をしたりする体験会などを開催しました。子どもたちに自然を感じることができる楽しいイベントを企画するとともに、スタッフ間で活動を共有できる機会も意識的に作っています。太田さんの願いは子どもたちの心身の成⻑と学び、豊かな⼈間性と生きる⼒を育む体験学習の機会をつくること。そのために、今できることに精一杯取り組んでおられます。

 

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