大阪市女性活躍ネットワークフォーラム
関西を代表する大学の就職指導担当者にきく「学生の企業選びの視点と女性活躍推進」
大阪市では、女性にとって働きやすい職場環境整備の取組みが広く普及するよう、平成26年10月1日より「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」認証事業を実施しています。
その事業の一環として、平成30年2月13日に企業の人事担当者等を対象とした「第2回大阪市女性活躍ネットワークフォーラム」を開催しました。
第1部では、学生の企業選びのポイントと企業の女性活躍推進への取り組みについて、関西大学キャリアセンター 事務グループ事務長 乾 友篤氏、武庫川女子大学キャリアセンター センター長 内田 正博氏にご講演頂きました。
第2部では、上記2大学に加えて大阪市立大学、龍谷大学、関西外国語大学の就職支援室およびキャリアセンターの代表の方々に、各大学の特色や2017年度の就職動向について、パネルディスカッションを行って頂きました。
今回のフォーラムには、企業の採用および女性活躍推進の担当者が多く参加し、会場は満席となりました。参加者はメモを取ったり、学生の就職動向や応募動機、学生へのアプローチ方法などを真剣な面持ちで聞き入っている様子が見られました。
第1部 学生の企業選びのポイントと女性活躍推進
関西大学
関西大学キャリアセンター 事務グループ事務長 乾 友篤氏
関西大学は、130年以上の歴史を持つ全国屈指の総合大学で、在籍学生数は3万人を超えます。年々多様化する学生に対し、様々な就業支援を行っておられ、2016年度の就職決定率は98.1%、大企業への就職率は6割を越えるとのことです。
昨今の学生気質として、就職活動の特に初期段階では、単独形式よりも合同形式のセミナー参加率が高かったり、他者のインターンシップ経験を共有することで自身の見解に置き換えたりするなど、合理的・効率的に進めたがる学生が多いことなど、具体的な現状が紹介されました。また「学生が企業選びで好む点・好まない点」について「入社前・入社後」に分けた具体例もご紹介いただきました。
武庫川女子大学
武庫川女子大学キャリアセンター センター長 内田 正博氏
武庫川女子大学は、在籍学生数1万人を超える日本最大の女子大学です。2016年度の就職 決定率は 99.4%で、大規模な女子大学としてトップを誇っておられます。
女子学生が当初注目するのは、「企業の知名度」とのことです。どうしても日常的に目にする製品やCMで流れている商品など、自身の生活に浸透しているネームバリューの高いB to C企業を選ぶ傾向があります。そのため企業側からも、学生が視野を広げ、多様な業界や企業を知る機会や工夫を積極的に創り出す必要があるとのこと。また、女子学生の企業選びの視点として、「長く働ける職場かどうか」が重要なポイントとしてあげられました。
両大学共に「結婚・出産しても仕事を続けたい」と考える女子学生が年々増加しており、企業における女性活躍推進については、関心が高まっているようです。
第2部 パネルディスカッション~今、学生に選ばれる企業とは~
【パネリスト】
- 大阪市立大学就職支援室 室長 池山 尚高氏
- 龍谷大学キャリアセンター 課長 原 俊和氏
- 関西外国語大学キャリアセンター 課長 大畑 年範氏
- 関西大学キャリアセンター 事務グループ副主査 岡田 裕子氏
- 武庫川女子大学キャリアセンターセンター長 内田 正博氏
第2部のパネルディスカッションでは「今、学生に選ばれる企業とは」をテーマに学生が企業選びを行う際の傾向や企業の方へのアドバイスについてお話いただきました。
特色として大学ごとに就職率の高い業界があり、そのなかで、学生は知名度の高い企業へ応募する傾向が強いそうです。
さらに、学生は企業を既存のイメージで捉える傾向があるため、参加企業の方々は、企業の具体的なイメー ジが湧きやすいように Web やホームページ、とくに採用情報ページの通年発信(企業理念や先輩社員の声など)および企業紹介動画のYouTube発信、さらに見学会、合同企業説明会、交流会などを通じて、学生が下級生から企業を知る機会を積極的に設けるのがよいとのアドバイスをいただきました。
また、「短期(1day)のインターンシップ」や「低年次からのインターンシップ」を取り入れる案もあげられました。
学生は企業と接し、実際の職場に触れることができるインターンシップに高い満足度を感じているため、インターンシップを経験することで就職後のイメージを持つことができ、また企業側も会社の説明や入社後のサポート、制度などを含めて学生に対し企業のアピールを行うことができます。
その他にも、「家族のサポートをしたい」との理由から地元就職希望者も増えており、学生は「どういう働き方ができるか」で企業を選ぶようになってきているとのことです。
最後に、各大学共通して、長く働きたいとの思いから「職場環境」を重視する女子学生が増えているとのことです。そのため、企業側は女性のライフステージへの配慮とサポートが充実していることが分かるように、行っている制度などを可視化してアピールすることが重要なポイントになるとアドバイスされました。
今回のフォーラムは、企業選びと女性活躍推進について、学生の視点と就職動向を知る貴重な機会となりました。大学就職支援担当者からの意見や提案が数多くあがり、参加者からのアンケートには「具体的で参考になった」や「もっと聞きたい」との声を頂きました。