工学博士で仕事は都市魅力プランナー。2歳の女の子を子育て中の杉本容子さんのインタビュー

工学博士で仕事は都市魅力プランナー、「東横堀川水辺再生協議会(通称e‐よこ会)」など地域活動や「まちと女子の生き方・働き方研究会」など研究活動でも活躍されている、杉本容子さんを取材しました。

きらめく女性の応援ひろばでは、身近な社会である「地域」で活躍し、輝いている方を訪ね、活動の内容や経験談などから「輝き」のヒントを見つけます。

杉本さんは、都市計画のコンサルティング会社に勤務し、水辺の魅力づくりや歴史的環境のまちづくり、水都大阪に携わる仕事などをされてきました。現在は、都市計画・まちづくりに関するコンサルティングなどを行う株式会社ワイキューブ・ラボを立ち上げて代表取締役を務める一方、2歳の女の子を子育て中。仕事を通じてつながった地域の活動にも参加。公私両方でまちづくりを通し地域に深く関わっておられます。

 ◇マイフィールドでミッション遂行!(現在の活動内容)

東横堀界隈は、コンサル会社の社員として関わり始めて現在まで長年関わっており、「マイフィールド」と語る杉本さん。東横堀川には、川の上を高速道路が走り、暗い、怖いと悪いイメージがあったそう。「川を活かしたまちづくりをしましょう」と始まったe‐よこ会に約10年に渡って参加しています。川に背を向けていた店や事務所に対し、川を活かしたまちづくりについて説明し、協力してくれる店の開拓に一軒一軒飛び込みで回ったそうです。その後、本町橋のたもとにウッドデッキの川舞台を仮設で作り、地域のコンテンツ(能、ヨガ、お茶会、音楽、ミーティングなど)を水辺の公園に引っ張り出すという活動ができるまでに発展しました。

まちの財産として身近な水辺の空間を地域の人が活用促進できるものにしていくことが私のミッションです。また、私の活動のキーワードの1つは『水辺のオープン・コミュニティスペース』。水辺をオープンにすることで、地域の住民や通勤してきている人など、この地域に関わり、地域を愛する人同士の繋がりが生まれ、コミュニティ(人と人とのつながり)が生まれます。それを大切にしたいと思っています。」

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◇思っていたのと違う、復帰の難しさ(挑戦と挫折)

2011年に会社を立ち上げ、2013年に37歳で出産。産後すぐの復帰を考えていたとのことです。しかし、終わりがないといわれるまちづくりの仕事・地域活動に、家事・子育てが加わり、時間と体力がいくらあっても足りない状況になり、産後は会社のスタッフに自宅から指示を行うなどして、子育てをしながら仕事を続けました。

「姉や友達の出産・子育てを間近に見ていたので、知識があるつもりでした。産後すぐに復帰して、子育てをしながら仕事を再開しようと、普通にできると思い込んでいたんです。ところが実際は、そんな予定どおりにはいかなかったですね(笑)。どうしても自分が立ち会わないといけない時は出向くのですが、授乳や体調面で苦労しました。経験しないとわからないものですね。」

 ◇「あきらめ」も方法しだい(克服のポイント)

子育て中でも仕事や地域活動を頑張り続けられるのは、周囲の理解や環境が整ってこそ。重要なのは、ハード面を充実させるというより、ものの見方を変えることで、それが克服の近道とのこと。

まちづくりの地域活動は、夜や土日の会議が多いので、パートナーの協力がないとできないんです。活動仲間は家族単位でそれぞれに工夫して、家事・子育てと仕事を両立しています。私の場合、子どもと一緒に家族で仕事の視察などに出かけるようにしています。自分が大切にしている仕事がどんなものか内容を理解してもらうことが、家族や旦那さんに協力してもらうための工夫の1つです。

また、『あきらめ』を覚えたのも出産後の働き方の変化の一つです。まちのことは終わりがなくきりがない仕事です。時間に制約ができたことでかえって、無理なトライ&エラーはせず、ゴールそのものを見直して、アプローチを変えるような柔軟な仕事の仕方ができるようになりました。」

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◇共鳴できる仲間とさらなる活動へ(活動してよかったこと)

体力的な衰えを感じ始めたのが33歳頃から。1日24時間仕事に時間を費やしてきた毎日に、このままの働き方はできないと感じた時があったそうです。それが転機となり、研究活動を通じて知り合った仲間たちと、まちづくりやまちに関わって働く女性を中心としたネットワーク「まちと女子(都市と人)の生き方・働き方研究会」を立ち上げました。

「まちづくりや都市計画の仕事は激務なのですが、365日24時間楽しく仕事をしているという人は、私の周りでは男性ばかり。同業の女性たちや関心ある男性と一緒に、女性の新たな幸せ像を模索する活動を始めました。会の想いや情報を共有できるツールとして<ほぼ季刊誌『まち女子』>を発行しています。

この活動を通じて、同じ問題意識を持つ同業の女性たちと思いを共感でき、明日からも楽しく働き、子育てしよう!と思えることが何より嬉しいです。家庭や職場ではないサードプレイスを作る・参加することも仲間とつながるうえで大切ですね。」

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◇見方が変わる、気持ちをやりとりできる仲間と家族(読者へのメッセージ)

「子育ては大変という風潮が世間に強いように思います。実際私の周りの若い人は、子育てを不安に思っている人が多くいます。子育ては確かに大変ですが、人生に大変なことは他にもたくさんあります。どんなことでも見方を変えて、大変さも楽しめて、前向きにとらえられることが大事なんだと思います。私にとって見方を変えてくれたのは、活動を共にする仲間と、私の生き方を支えてくれる家族でした。子育てや仕事で大変なときも、周囲に自分の想いを伝えたり、相手の気持ちを受け取ったりしながら、新しい価値観を感じることができると、物事の見え方が変っていきます。自分を理解してもらえる人や場があれば、お互いに支え合いながら乗り越えられると思います。自分の気持ちと他人の気持ちに、勇気をもって向き合ってみてください。」

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東横堀川の本町橋近くにある船着き場周辺の工事が終われば、水辺の活用を本格化したいと意気込む杉本さん。東横堀川を眺めながらお茶や食事ができるお店に出会ったら、杉本さんが交渉したお店かも。杉本さんの今後の活動と東横堀川周辺の活性化にご期待ください。

 

■企業情報

・会社名: 株式会社ワイキューブ・ラボ

・会社設立:2011年12月

・代表者:代表取締役 杉本容子

・所在地:大阪市北区天神橋1-14-7

・連絡先:06-7878-6127

・ホームページ:http://www.y3-lab.co.jp/

■団体情報

・会社名:東横堀川水辺再生協議会(e-よこ会)

・会社設立:2006年7月

・代表者:会長 別所俊顕

・所在地:大阪市中央区東横堀川界隈

・連絡先:TEL:06-6944-6323 E-mail:info@e-yokobori.jp

・ホームページ:http://www.e-yokobori.jp/

■団体情報

・会社名:まちと女子(都市と人)の生き方・働き方研究会

・会社設立:2012年4月

・代表者:事務局 依藤智子

・所在地:大阪を中心に関西

・連絡先:machijyoshi.info@gmail.com

・ホームページ:https://www.facebook.com/machijyoshi

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