カフェから広がる地域のつながり・交流【チャレンジの先輩に聞く! 活動を始めるヒント Vol.46】

 

矢野 初枝さん

(絵本とパンケーキカフェ アイアイ 店長)

 

 

きっかけは「阪神淡路大震災」

2020年5月にオープンした「絵本とパンケーキカフェ アイアイ」。文の里駅、昭和町駅からほど近い文の里商店街の中にあります。

店長の矢野初枝さんは元小学校教諭です。1995年の阪神淡路大震災が起こったとき、地域でのコミュニティの大切さを痛感しました。隣近所で助け合い、命を守るためにも、退職後は地域の居場所・コミュニティづくりをしようと決意したそうです。また、特別支援学級の教え子が毎朝自分でパンケーキを焼いて食べているという話を聞き、パンケーキのカフェを始めればいつか教え子と一緒に働けるのではと考え準備を進め、小学校を定年退職後に開業しました。

地域の憩いの場所に

 

小さな子どもを連れて気軽に利用できるカフェは多くはありません。お店づくりでは、親の幸せが子どもの幸せにつながると考え、子ども連れでも気兼ねなくゆっくりと過ごせる場所をめざしました。小さな子ども連れのために店内には小上がりを設け、イベント時にはステージにもなるという工夫がなされています。

お店の造りや、矢野さんの温かい人柄、誰でも歓迎というお店の雰囲気も手伝い、多くのお母さんたちがアイアイを利用されています。

カフェを居場所として、地域の人たちをつなげたいという思いからオープンしたお店ですが、実際にお客さん同士のゆるやかなつながりが生まれています。お母さんたちが出会い交流を深め、また、お母さんとおばあちゃんといった世代を超えた交流もみられます。

アイアイでは、「絵本の読み聞かせ会」や「大人のための絵本セラピー」、「顔ヨガ・目ヨガ」、「1日保健室」、「歯みがき相談」などたくさんのイベントが行われており、それをきっかけとした出会いも多くあります。イベントの講師は、お店のお客さんだった人も担当しています。お客さんから「私、こんなことができるよ」と声を掛けられ、コラボが生まれることが多いそうです。親しみやすいアイアイは、子育て中のお母さんたちをはじめ、地域の人々が集う憩いの場所となっています。

商店街でみんなと一緒に地域活性化

矢野さんはお店がある文の里商店街の組合の活動にも参加しています。組合への加入は強制ではなく自由ですが、参加することで商店街のお店の人同士と知り会う機会になりました。商店街組合でのつながりは、一人ではなくみんながいるという安心感を与えてくれるそうです。

商店街の仲間は持ちつ持たれつ。自分のお店だけでなく、みんなと一緒に商店街を盛り上げようと行事に参加し、ショップカードや名刺を置き合うなど連携をとっています。商店街を盛り上げたい、守りたいという共通の思いがつなぐご縁です。

親も子どもも”楽しさ”でつなぎたい!

開業から4年目を迎え、子ども連れでも楽しめるコンサートなど、お客さん目線のイベントをもっと企画したいと考えている矢野さん。しかし、無理は禁物です。長く続けていくためにも、自分のペースで自分らしく働くことを大切にし、「行きづまったら楽しいことを考えたらいい」と明るく笑います。取材中にもお子さん連れの若いお母さんとフランクにおしゃべりする姿がありました。お客さんの子どもの成長を一緒に見守ることが出来るのも素敵と話され、まさに地域のお母さんのような存在です。

商店街で地域の”楽しい”に寄り添う矢野さんとアイアイ。これからも、親子を始め、みんなにとって素敵な居場所としてあり続けることでしょう。

 

絵本とパンケーキカフェ アイアイ

https://www.instagram.com/hatsue2020ehoncafe_aiai/

 

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