ストレスを溜めないための、介護支援制度について研究した結果について 大阪経済法科大学 栗原あさ香さんのインタビュー

大阪経済法科大学3年の栗原あさ香さん(平成26年度に大阪市主催事業(受託事業者:特定非営利活動法人大学コンソーシアム大阪)「若者のためのライフデザイン支援事業」に参加)を取材しました。

栗原さんは同大学の仲間と「ワークライフキャリア開発プロジェクト」に取り組みました。

プロジェクトでは、男女共同参画におけるワークライフバランス支援の実情を調べ、各学生が自主的にテーマを決めて研究を行いました。

栗原さんが選んだテーマは「介護支援制度」。

研究の結果、女性が輝く社会を実現するために栗原さんが導き出した方策とは?

 

「仕事も家庭もどちらも大切。楽しみたい」(社会人として活躍していく上での夢・目標・不安)

結婚して子どもを出産したとき、子育てを理由に退社するのは絶対に嫌だと語る栗原さん。仕事も家庭もどちらも楽しみながら自分の生き方を探っていく人生が理想だそうです。就きたい職種は営業職。営業職で活躍するために、家事・育児は家族のサポートが必要だと考えています。

「きっと残業で帰宅が遅くなることもありますよね、そうなったら私一人で仕事をしながら家事・育児も全てするのは難しいことです。基本は私が中心的にやりたいと思いますが、やはりパートナーの協力は絶対に必要です。」

また、栗原さんは家で母が祖母の介護をするのを目の当たりにし、仕事をしながら家庭のこと、特に介護をするのは大変なことだと実感したそうです。

「母は仕事をしながら祖母の介護をしています。ストレスを抱え家族関係がぎくしゃくすることもあり、それを見ていると介護と仕事の両立はやはりしんどいなと思います。会社の仕事を家でしたり、後輩の悩み相談にのったり、母の一生懸命働いている姿を見ると、私もなんとかしてあげたいと思うようになりました。そこで介護支援制度を研究テーマに選び、もっと詳しく調べてみようと思ったのです。」

kurihara2

「その立場になってわかる、支援制度」

(「若者のためのライフデザイン支援事業」に参加した際の役割)

社会人と意見交換するフォーラムを天王寺区役所で開催した際、パネラーとして参加した栗原さんは祖母の介護を通して感じた問題点や課題を発言しました。

「介護を手伝う立場になりケアマネジャーさんからいろいろ説明を聞いて、そういう制度があるのかと気づいたことがたくさんありました。その立場にならないと知らないことが多くて、周知されていないと思いました。必要とする多くの人に介護支援制度について知ってほしいと思い、制度や支援内容を詳しく調べてさらに研究を進めています。」

◇「育児・介護はまず家族の支え合い」

(研究が自身の夢や目標にどうつながったか・不安はどう解消されたか)

プロジェクトでの研究の結果、結婚して子どもが生まれたら母親の方が主に育児をすることになり、子育てのために会社を辞めてしまう女性が多い傾向にあるとのこと。介護も担っているのは女性が多く、離職するケースが多いという数値が出たそうです。

「介護に関してはストレスがたまらないよう、まずは家族で支え合うことが大切です。ちょっとした思いやりの気持ちで負担が軽減されます。それと国や自治体が実施している介護支援制度も大いに活用して、楽に、楽しく介護できる方法を見つけてほしい。私自身もいろいろ模索しています。」

家庭のことは女性が担う、という傾向がまだまだ強い現実社会。出産・子育てのために女性が会社を辞めてしまわなくてもいいよう、例えば会社に育児室を設置するといったことも大切だと話す栗原さん。働きながら子育てしやすい社会になるためには、男性の協力が不可欠だといいます。

「営業職を希望しているのは、いろんな人とつながって、自分のやりたいことをどんどん見つけたいから。働きながら自分の道を模探していきたい。仕事を続ける上で必要なことはパートナーや周囲の協力です。仕事が遅くなったり、子どもが病気になったりしたときに、面倒を見てもらえる人がいると安心です。私は結婚したら実家の近くに住みたい。両親に子どもをみてもらえる環境が理想です。私自身、祖父母と一緒に住んでいたので、親は共働きでしたが寂しくありませんでした。将来のパートナーとなる人とは、子育てや家事を共同でどうしていくのかを結婚する前にお互いによく相談したいです。また、理解してくれるパートナーを選ぶことも大事です。パートナーの理解があれば女性の活躍の場も増えるのではないでしょうか。」

◇「社会の支援制度をうまく活用して!

(同世代の若者にメッセージ)

「私の友人や同級生の女性は、結婚しても働きたいという人がたくさんいます。私自身『若者のためのライフデザイン支援事業』に参加して、女性の置かれている現状や多くの支援制度を知る機会をいただきとても役に立っています。困る前に多くの情報を収集し、自分に合った会社を見つけ、制度をうまく活用してほしいと思います。」

kurihara3

現代では女性が育児や家事、介護の担い手であることを理解し、また家族介護で現実を目の当たりにしている栗原さんですが、営業職を希望し男性に負けないくらい活躍したいと意気込んでいます。プロジェクトで学んだ知識と経験を活かし、パートナーの理解・家族の支え・制度の活用があれば乗り越えられると希望を抱いて就職活動に励んでいます。家庭も大切にしながら社会で輝き続ける栗原さんの姿が見られる日は近いと期待しています。


◇更に詳しいお話は、ラジオでお楽しみください!

◆ラジオ出演の模様を撮影した動画を、今ご覧のWeb「きらめく女性の応援ひろば」にて公開しますので、そちらでもお楽しみいただけます。

Follow me!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう