高田 ほのかさん(歌人)
「短歌」でまちに恩返し
高田ほのかさんは、短歌を創作する歌人として、短歌教室の講師や天神祭献詠短歌大賞の選者、新聞社のブックサイトで連載中の少女マンガを題材にした短歌とコラムを執筆するなど、「短歌」をツールに幅広く活躍されていています。
日本一長い商店街、天神橋筋商店街の店を5年かけて取材し、100人の店主の思いを短歌にした著書「100首の短歌で発見!天神橋の店 ええとこここやで」は、平成30年に文化庁の協力名義の承認を受け、関連展示会やトークショーなども開催されました。短歌を用いたユニークな「まちおこし」として多くのメディアでも紹介されています。
活動のきっかけは、学生時代に天神祭をPRする「天満天神・花娘」を務めたこと。賑わっている印象のある商店街だけど、店主がどのような気持ちで店を営んでいるかまでは伝わっていないのでは、と感じたそうです。
お世話になった商店街への恩返しの意味も込め、平成25年から、お店ごとの想いを短歌に詠む活動を始められました。
最初の頃は、飛び込みで訪ねた商店でセールスと間違えられるなど、なかなか趣旨を理解してもらえず、心が折れそうになったこともあったとか。
それでも諦めずに取材を続けていくうちに、気持ちを込めて詠んだ短歌の評判が人から人へ伝わり、商店街の協力を得られるようになったといいます。
「31音」に想いを込める
「短歌」を通じて人との縁を大切にされている高田さん。
現在進めている「関西を拠点に尽力する社長の“原点”を100首の短歌で発信」という企画も、高田さんの活動を新聞で見て興味を持たれたある企業から連絡があり、そこの社長と対談したことをきっかけに、聞いた話の感動を短歌にして贈ったことから始まったそうです。
インタビューした社長に次の社長を紹介して頂くという数珠つなぎスタイルで取材が続いています。今後も毎年20社のペースで取材し、大阪万博の開催年には100社、100首を完成させ、展示会と本という形にすることを目標にされています。
「短歌はたった31音の中に100文字以上の想いをぎゅっと凝縮することができる文学です。逆に100文字以上の思いがないと31音にできない。取材でお話を聞く時は、短歌の種になるものを見つけようと一生懸命です。そうしてできた短歌を贈り、『自分の想いを表現してくれている』と言ってもらえることが一番うれしい」とのこと。「まるで1本の映画を観たよう」と感想をもらったこともあるとか。
一歩踏み出す勇気を持って!
多方面で活躍されている高田さんですが、「この活動を事業として広めていくためにはどうしたらよいか、PRの方法などもっと知識を吸収したい」と、女性チャレンジ応援拠点の事業やクレオ大阪の起業相談なども積極的に活用されています。
拠点の印象をお伺いすると「女性が輝く場という意味では本当に貴重な場所だと思う。利用者が話を聞いたりセミナーを受けてインプットするだけでなく、発表をしたり講座を開催したりできる、アウトプットの場があるという所も珍しい。いろいろな活動をしている女性と交流できることもよい刺激になっています」とおっしゃいます。
チャレンジしよう思っている女性には「勇気を持って一歩踏み出すことが大切。好きなことを続けていくのは大変なこともあるが、長く続けると自分の思いもよらないところで世界が広がり、助けて下さる人もあるので、頑張ってほしいです」と、ご自身の経験を踏まえたエールを頂きました。
「『短歌』というと少し難しいイメージを持たれることもあるけれど、自分を表現する手段としてこれからの時代にこそマッチするツールだと思います。これからも短歌のすそ野を広げる活動を続けていきたい」と話されていました。
インタビュー中も終始笑顔で、人との縁を大切にして活躍される高田さんの人柄が伝わってきました。
高田さんが【女性チャレンジ応援拠点】をテーマに一首詠んでくださいました!素敵な短歌をありがとうございます!
真っ白な ドアを開くと 「こんにちは」 呼吸のできる わたしの居場所