長谷川 つぐみ(はせがわ つぐみ)さん
(TH PLANNING代表)
整理収納でよい循環を!
長谷川さんの活動は、主に休日に整理収納アドバイザーとして、ご家庭へ訪問して片付けのサポートをしたり、セミナーの講師をしたりすること。フルタイムの仕事もあり、仕事を2つ持っているという感覚だそうです。
整理収納アドバイザーは、令和2年2月に開業届を出し、本格的に活動を始めました。女性チャレンジ応援拠点に来られたのもちょうどそのころで、利用経験があったクレオ大阪中央で講座などができないかと思ったそうです。
令和2年度には、クレオ大阪で企画を募集する「コラボ型男女共同参画セミナー」に応募し、セミナーを共催しました。また、クレオ大阪西のセミナーでも講師を務めるなど、活動の場を広げているところです。
長谷川さんが整理収納に興味を持ったきっかけは、育休中に参加した整理収納のセミナーでした。自分の身の回りを整理していくうちに、気持ちや思考を整理でき、育休からの復帰を前向きに考えていけるようになったそうです。
整理収納のスキルは仕事にも生かされ、効率的に仕事を進めることができ、仕事量を維持したまま勤務時間を短縮できるようになりました。
その結果、家族と過ごす時間が増え、前より余裕をもって子どもに接することができるなど、身の周りの整理整頓だけでない効果を実感したことで、特に子育て家庭の負担軽減や、仕事と家庭生活によい循環を生み出すお手伝いがしたいと思うようになりました。
子育て中の複業にためらいも…
子どもが4人いる長谷川さんは、30代は家庭と向き合う時間だったと振り返ります。40歳の節目を迎えたときに「子どもを自分の人生の主役にしてしまう」と感じたそうです。
子どもは子どもの人生があるのだから、私自身も自分のために夢中になれるものを持ちたいと思っていたところ、整理収納に出会い、これが自分でも意外なほど入れ込みました。子育てすることについても夢がかなったという気持ちはあったのですが、整理収納に出会い、もう1度自分の人生が始まったと感じたそうです。
しかし、子どもはまだ小さくて手がかかります。フルタイムで仕事しているだけでも手一杯なのに、整理収納アドバイザーという複業もしたいということに申し訳なさや引け目を感じ、当初は家族に活動に対する思い入れや気持ちをうまく伝えられなかったそうです。
しかし、次第に自分の気持ちと家族の認識の間にギャップが出てきてしまい、あるとき勇気を出して、なぜ整理収納アドバイザーをやりたいと思っているのか、どうなりたいと思っているのかなどを伝えました。家族に戸惑いもみられたそうですが、話し合うことで今までよりもお互いの仕事への理解も深まり、歩み寄ることができました。
私を応援してくれる人は、私!
長谷川さんにとって、女性チャレンジ応援拠点は「家でも職場でもないサードプレイスのような場所」だそうです。
スタッフや利用者との会話が活動のヒントになったり、行動のきっかけになったりする、刺激を受ける場になっています。考えれば考えるほど答えが出ないとき、まずは動いてみてから考えてもよいのでは、と自身の経験からアドバイスをくれました。
今後の活動の見通しを聞いてみると、今の時点ではまだ仕事のバランスやゴールを決めてはいないそうです。できる範囲で、必要としている人に届けたい。なりゆきにある程度任せつつ、もっと学びを深めていろいろな角度からアプローチできるスキルを身に着けたいし、一般家庭や個人事業主の方のサポートをしていきたいというイメージをお持ちのようです。
あえて自分の未来の設計図を詳しく描いていない長谷川さんですが、節目を迎えるたびに柔軟に受け止め、家庭も仕事も大事にしながら次のステップをしっかり考えてキャリアを積み重ねていく姿が目に浮かびます。
「私を応援してくれる人は、私!」と自分を励ましながら誠実に活動を続けつつ、でも無理し過ぎない自然体が素敵な長谷川さんでした。