地域できらめく女性をご紹介します!
大阪市内で6箇所のゲストハウス運営をしながら、SNS運用事業、自己理解コーチ、ボードゲームクリエイター、カウンセラー、地域ライター、不定期でイベント出展という複数の事業を展開するパラレルキャリアワーカーの渡壁 亜希(わたかべ あき)さん。
フリーランスとして、J&M SPACEという城東区の物件を拠点にリアルとオンラインを活用しながら、各事業ごとのサポートメンバーと一緒に活動されています。
渡壁さんに現在のお仕事や、なぜこのような複数の事業を展開しているのか、また今後の目標などお話を伺いました。
今に至るまでの経緯について、教えてください。
本業であるゲストハウスの経営に至った経緯
以前は会社員として、企業でインバウンド向けの宿泊施設の運営管理の仕事をしていました。その当時、大阪はインバウンド旋風が吹いていて365日仕事に追われる毎日を送っていました。そのツラさから同僚たちからは退職者が相次ぎましたが、私はこの仕事が好きだったので、ストレスなく楽しんで取り組んでいました。
しかし、気付かぬうちに心身はかなりのストレスを抱えており、37歳の時に大病を患いました。病気からの退職という選択ではなく、しばらくは治療をしながらリモートで働いていましたが、社内環境の変化もあったタイミングでその企業の外注先となることを決意しました。同時に「自分でこの事業をするなら、ゲストさんにもっと良い思い出を提供できる」と考え、自ら物件を購入して、ゲストハウスの「J&M SPACE」を開業しました。
そして、フリーランスとして開業した時に、ある1つのミッションを立てました。
「明日エピソードになる体験を!」
この意味は、「たくさんの人の毎日の1つひとつの体験が、明日誰かに話したくなるようなワクワクしたエピソードになる体験を届けたい」そんな思いから決めたミッションでした。
そして、それを実行すべく、ゲストさんとは色んな体験を通して、お互いの良い思い出を作っていけたと感じています。一緒に居酒屋に行ったり、カラオケに行ったり、一緒にパン作りをしたりなど、私自身にもそれらの思い出は一生語れるほどの良いエピソードになりました。
本業と並行して複数のキャリアを築くに至った経緯
しかし、2020年のコロナウイルス襲来でインバウンドのゲストさんが来なくなりました。収入がなくなり、どうしようかとすごく焦る反面、なんとかなるだろう、という思いもあり、自ら何かを新たに始めるということをすぐにはしませんでした。
そんな状況の中、コロナ禍でオンライン化が進むにつれ、私がインバウンドの集客をSNSからしていたこともあり、そのSNS関連のことを知りたいと言ってくださる方にたくさん出会うことになりました。
そのニーズに応えるべく、SNSや発信を頑張る方が集うオンラインサロンの運営を始め、その後はSNSの運用代行やコンサルティング、また公的機関や団体、企業様向けのセミナーにも登壇させていただくようなオファーをいただくようになりました。
また、ライティングのスキルを生かして地域に貢献したいという思いから、大手サイトの地域ライターとしても活動するようになりました。
それでも以前のインバウンド全盛期に比べると時間を持て余していた状況。
世の中を見回すと本当にコロナ禍前に比べて悩みを抱えている人が多いことを目の当たりにしました。
知り合いの色んな悩みを聞いていた中、オンラインカウンセリングの仕事を見つけ、なんとなく応募してみたところ、まさかの競争率60倍ところを採用されて、始めることになりました。
普段日常的にやっていることがお仕事につながり、まだ見ぬ誰かの役に立てたらという思いからPC1つで始めたところ、1年でなんと1000人以上の悩みをお聞きするほどに至りました。
オンラインカウンセリングの仕事で気づいたことは、悩みに寄り添うことで、その場では一時的に楽な気持ちになっていただくことができても、私が悩みをお聞きしたクライアントのうち、「自分がどうなりたいか・どうしたいか」という問いにはっきり応えられるクライアントは5%ほどしかいないということ、その他多くのクライアントは悩みが解決に向けて進展せず、再びカウンセリングを受けに来られるということです。
そのように、再び悩み、カウンセリングを受けに来られるクライアントが負のループから脱却できるようにすることが必要だと感じ、本当の自分を知るための「自己理解」の分野に興味を持ちました。
そこで、以前から趣味でよく遊んでいたボードゲームと、学べば学ぶほど興味が沸く「自己理解」という分野の相性がとても良いと感じ、「自己理解ボードゲーム」の開発に着手。1年越しで商品化することができました。
クラウドファンディングではファンが0からの状態でスタートしましたが、たくさんの方から支持・共感を得ることができ、313%の達成をすることができました!
その後、ご縁をいただき、自己理解コーチとしても活動することになり、たくさんの方のサポートをさせていただいています。
普段どんな1日を過ごしていますか?
1日の過ごし方を見てみると、意外に仕事らしい仕事をしている時間は短いですね。笑
だいたい外出する日としない日の割合は1:3くらいです。
色んな事業展開と充実したプライベートを両立させるポイントは?
外出しない日にオンラインのアポを詰めて、PCで仕事するものを重ねて入れています。
例えば、夜の時間の”セッション”は、コーチングやカウンセリングをしている時間なのですが、合間の時間でライティングをしています。朝のメールなどの返信時間も、余裕があればライティングにあてます。
外出しない日のアポイントは会える人には訪問いただくことをお願いして、リアルでお話することを大事にしています。
外出する日はPCをあまり見ないようにして、よほど緊急性のあることを除き朝以外の時間には対応しないようにしています。
オンライン化が進んだ時代だからこそ、リアルなことの価値は高いと考え、そこに注力するようにしています。その時間の多くは人に会って、コンサルティングやランチミーティングなどをしたり、ゲストハウスの現地回りをしたりするだけではなく、あえて数時間でもその場で過ごしてみたり、最近は、自己理解ボードゲームの体験会に出かけることも増えてきました。
そして、「ぼーっとする時間」を大事にしています。
これはただぼーっとしているわけではなく、学びの時間でもあり、着想する時間でもあり、自分や社会と向き合う時間でもあると考えています。この時間があるから、新たなものを生み出すパワーに繋がっていると考えます。
そうすることでOFFの時間もしっかり取ることが出来ているのではないかと思います。
どのようにスケジューリングしていますか?
スケジュール管理においてまずすることは、「私でないとダメなこと」と「他の人でもいいこと」にタスクを分けます。
そして、「やらなければいけないこと」をする時間と「やりたいこと」をする時間は切り離し、内容的に組み合わせられることは組み合わせます。
そうすると、意外と「私でないとダメなこと」というのはあまりありません。
なので、他の人に任せられる仕事はサポーターにお願いをしています。
特に苦手なことは、お願いした方が結果として生産的に終わらせることができます。
先に仕事を決めず、そんな余白のあるライフスタイルの中で出会う仕事をしていく、一見とても不安定な動きをしているように感じるかも知れませんが、そんな余白のある生活をすることで、「本当に必要なことに集中する」「本当にやりたいことに集中する」そんな時間を過ごしていきたいと考えています。
そうすることで、色んな気付きやアイデアに出会うことができるようになりました。
今後の目標は?
「自己理解すれば世の中の悩みの90%は解決する」と考えています。
大人はもちろんですが、子どもや学生の時代から自己理解をすることが習慣づけられるような社会になればいいな、と思って自己理解を普及させていきたいと思っています。
自己理解ボードゲーム「プロフィール」は主に10歳から大人を対象にイベントを行っていますが、私だけでは広めるにも限界があるため、一緒に広めるファシリテーターも募集しています!興味がある方はぜひお問合せください。
また、たくさんのリクエストをいただき、もう少し低年齢の子ども向けの自己理解ボードゲームの開発もしていきたいと考えています。
現代は忙しい人が多いうえに、情報過多な時代だからこそ、便利なことには目が向きやすく、それらに委ねるような時間を過ごされている方が多いですね。
目先の情報に左右され、自分を見失っている人が多く、「自分に向き合う時間」を取る人が少ないように思います。そんな多くの自分らしさの喪失が「ストレス社会」を生んでいると思います。
個々が「自分に向き合うこと」で、自己理解が深まり、時間の使い方や自分らしさを生かすためにどんな環境に身を置くかを上手に選べるようになれば、結果としてそれらがストレスフリーでHappyな人生を引き寄せるでしょう。
そして、そんな人たちが増えることで社会全体がより良く変わっていけばいいな、と思っています。