大阪市では女性が活躍できる職場環境づくりを積極的に進めている企業等を「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」として認証しています。
令和7年度「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」市長表彰大規模企業部門の最優秀賞受賞企業である株式会社朝日新聞社では、女性の活躍推進に向けてどのような取組をされているのか、インタビューを行いました!
Q1
「ジェンダー平等宣言」
朝日新聞社は2020年、報道と事業と担い手のジェンダー平等実現をめざし、「ジェンダー平等宣言」を公表しました。2019年に世界経済フォーラムが発表したジェンダー格差指数ランキングで日本が158カ国中121位と過去最悪になったことを受け、責任あるメディアとして、足元からの多様性確保に取り組むことにしたものです。
取材対象者や主催シンポジウム登壇者のジェンダー平等、管理職の女性比率の倍増、男性育休取得率の向上を目ざして数値目標を掲げ、達成度を紙面などで毎年公表することも定めました。全社部門横断組織のジェンダープロジェクトが進捗の検証と公表を担っています。
宣言を紙面などで公表すると、評価や期待の声が多く寄せられました。四つの数値目標のうち、取材対象者や主催シンポジウム登壇者のジェンダーバランスは宣言以前に比べ大きく改善しました。
「女性のいない会議をつくらない」取組
一方で、管理職の女性比率を伸ばすには、より踏み込んだ取組が必要であることもわかりました。そこで、意思決定層の女性を増やすことを目的として、2022年に社外からアドバイザーを招き、「ジェンダー平等宣言+」を策定、公表しました。その目玉のひとつが「女性のいない会議をつくらない」です。
社内の重要な意思決定や情報共有が行われる会議を全社で洗い出し、参加者の女性比率を毎年集計することにしました。2023年には26.3%あった女性ゼロの会議は2024年には18.9%、2025年には14.4%へと徐々に減少しています。
データを公表することで、会議メンバーを決める際も女性の参加を意識するようになっています。女性の少ない部署では、一部の管理職の女性に業務が集中して負担が大きくなっている面もありますが、管理職の女性比率が増えるに従って解消すると期待しています。
Q2
「ジョブシャドーイング」制度

ジョブシャドーイング研修。会長と秘書役の打ち合わせに研修生(中)が同席
ジェンダー平等宣言+のアクションプランの一つとして2022年に導入したのがジョブシャドーイング研修です。
ジョブシャドーイングとは、若手社員が他部門の役員や部長と行動をともにし、打ち合わせや商談などに同席して意思決定やマネジメントを観察学習する研修のことです。別名「カバン持ち研修」とも呼ばれています。
大企業の社長の多くが若手社員時代に社長や役員のカバン持ちを経験していることにヒントを得たもので、従来こうした役割は男性に与えられることが多いのですが、研修として女性にも経験してもらうことにしました。
研修期間は3カ月間で、50~100時間程度です。役員シャドーイングの場合は経営会議や取締役会にも同席します。
2025年度までに30~40代の女性社員28人がこの研修を受けました。研修後はそれぞれの職場で活躍しており、管理職に昇進した人もいます。研修生を受け入れた側の役員や部長にとっても自らの仕事を振り返る貴重な学びの機会となり、研修生を送り出した職場でも職場の雰囲気が活性化するなどの効果が実感されています。
Q3
「ジェンダー平等宣言」
朝日新聞社は、報道機関としてジェンダー平等や多様性の尊重を企業理念として掲げています。
2020年に「ジェンダー平等宣言」を定め、誰もが働きやすい環境づくりに向け、取組を進めています。
育児と仕事の両立ができるよう、働き方改革や多様な働き方につながる制度の拡充・改善を継続して進めていきます。
【男性育休】
お子さん誕生前から検診などに使える「ベビー休暇」(7日。半日単位の取得可)のほか、2022年に「子の誕生休暇」(有給。出生後8週間以内に4週間まで取得可)を創設し、取得が進んでいます。
朝日新聞社では育児休暇・育児休業の2週間以上取得を目標にしており、毎年8割前後の男性社員が2週間以上取得しています。
【多様な働き方】
不妊治療や配偶者の海外赴任への同行にも利用できる「自己充実休職制度」があります。最長3年間休職できます。
また、小学校入学前の子どもの育児を理由に「一定期間転勤を免除する制度」や、「在宅勤務制度」も全社的に導入しています。
【両立支援策】
子どもが中学校卒業まで利用できる「短時間勤務制度」や「勤務配慮」があります。
短時間勤務は、週4日勤務や、一日あたりの労働時間を2時間短縮して週5日働くなど、7パターンから選べます。
勤務配慮には、スライド勤務(始業・終業の繰り上げ、繰り下げ)▽時間外、休日労働や宿直・夜勤の免除など、個別の事情によって柔軟に使える内容になっています。
【育児の特別休暇】
育児に関する特別休暇は、子どもが中学校卒業まで利用できる、学級閉鎖や卒業式にも使える子ども付き添い休暇(年5日)、予防接種にも使える家族看護休暇(年1日)、ならし保育休暇(有給5日、無給1カ月)などがあります。
【保活サポート】
保育園に入るために、個人では収集しづらい情報の提供やアドバイスなどの支援を行う「保活コンシェルジュサービス」も利用できます。
Q4

朝日新聞大阪本社編集局。フリーアドレスで職場の風通しもよい
「ジェンダー平等宣言」で掲げた管理職の女性比率などの目標達成には徐々には近づいてきていますが、まだ道半ばです。
これまで、報道機関の担い手、特に意思決定層のジェンダーに偏りがあると、その発信内容にも偏りが生じるのではないかという問題意識のもと、取組を進めてきました。社員の多く、特に男性社員は、社内でジェンダー平等を進めることの意義を理解しつつも、自分ごととして捉えるには至っていないと感じています。女性リーダーが増えることは、社員に多様なロールモデルや多様なリーダーシップの在り方を示すことにつながります。
その結果、男性社員を含むすべての社員が働きやすく、力を発揮しやすい環境が整えられ、ひいてはよりよい発信につながることを、今後もさまざまな形で伝えていきたいと思います。



