「アレっ子とその家族を笑顔に!」チャレンジの先輩に聞く! 活動を始めるヒントVol.18

おおはし ともこさん

おおはし ともこさん(月ノヒカリ代表 アレっ子ライフパートナー)

 

アレルギーを抱える家族の笑顔のために

大阪市内を中心に、7大アレルゲン※を使わない料理を通じて、家族を丈夫にする骨太ごはん講座や、アレルギーの子どもを持つ親たちの「おはなし会」を開催するなど、「アレっ子(アレルギーがある子ども)とその家族を笑顔に」をコンセプトに活動をされているおおはしさん。ご自身のお子さんも、生後3カ月で重度のアトピーとアレルギーが発覚し、アレルゲンを除去する食生活の大変さを経験されました。その中で学んだ調理法や、知識を伝えることを通じて、「同じような境遇で悩みを抱える子どもや親御さんたちの力になりたい」とおっしゃいます。

料理教室でのメニューは「楽ちん・簡単骨太ごはん」として、7大アレルゲンを使わず、シンプルで手軽な調理方法をベースにしています。アレルギーの有無に関わらず、食生活を整えることで家族みんなが自然に体調も整うことをめざしています。

最近はアレっ子が増えてきたと言われるものの、身近にアレルギーに関してじっくり話せるママ友と出会えることはまれで、閉じこもってしまいがちと言います。おおはしさんのおはなし会は「日頃感じていることを気軽に話せる場」として参加者同士が「こんなことあるよね」「そうやねん、そうやねん」と共感し、笑い合う時間になっているそうです。そんなママたちの笑顔を見ると、自分の辛かった経験も無駄ではなかったと思えるとおおはしさんは言います。

 

辛い経験をきっかけに、活動スタートを決意

おおはしさんが現在の活動を始める大きなきっかけとなったのは、しっかり下調べして行ったはずの外食先で、お子さんがアナフィラキシーショック(アレルゲンが体内に入ることにより、血圧低下や意識障害など命に危険が及ぶ状態)を起こして救急搬送された出来事でした。「入っていない」と何度も確認したアレルゲンが、実は入っていたのです。

幸い症状は回復しましたが、しばらくは自分やお店を責める気持ちに苛まれ、悩み続けたそうです。けれどある時、そんな気持ちを切り替え、「自分たちのような辛い思いをさせないように、知識や経験を伝えたい」と思うようになりました。そもそもなぜアレっ子がいるのに外食をしたいと思うのかを考えた時、そこには毎日気を張り詰めながら食事を作り続けるストレスを抱えている自分の姿があったそうです。
そして、数年前から学んでいたシンプルで体にもいい調理法を応用した、アレっ子対応の料理を広めようと決意します。忙しい合間を縫って、いろいろな食の講習会に参加したりセミナーに通ったり、思いをかたちにするための勉強や情報収集を始めました。

 

仲間に出会えた大阪市女性チャレンジ応援拠点

おおはしともこさんの活動
大阪市女性チャレンジ応援拠点との出会いもそんな時期でした。地域活動の広報委員をしていたおおはしさんは、平成31年1月開催の拠点のイベント「PRのための文章講座&プレゼン発表会・交流会」に参加します。その発表会で、アナフィラキシーの経験や、めざす活動について発表しました。するとその後の交流会では共感を得た何人もの参加者から声をかけられたそうです。自宅を料理教室で使っていいよと言ってくれる人や、自主的に勉強会を開催しようと声を掛け合える仲間など、新しい出会いが次々に生まれました。その時出会った参加者同士で「アレルギーと発達障がいに関する子育ておしゃべり会」ミニサロンも企画、実施しました。その後も、拠点イベントへの参加や、定期的に個別相談も活用しておられます。

「『拠点』は、ふらっと来ても、いつも親身になって相談に乗ってくれる。チャレンジしたい人が集まるところなので、スタッフだけでなく同室した人にも、いろいろな角度からアドバイスがもらえ、選択の幅を広げてくれます。これから何かしたい人は、まず拠点に来て、小さな声でもいいから何かつぶやいてみて!きっと誰かがヒントをくれる」とおっしゃいます。

おおはしさんの将来的な目標は、「アレルギーがあってもなくても、家族でゆっくりできて安心して過ごせる飲食店を作ること」。出会った人々にも力をもらいながら、まだまだ活動は広がります。

おおはしともこ

※アレルゲンとは「アレルギーの原因となる物質」のことで、7大アレルゲンは「卵、小麦、乳、えび、かに、そば、落花生」をいいます。

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