本下 瑞穂さん(株式会社コトバノミカタ 代表取締役)
デザインの力を教育に
「作文を楽しくするデザイナー」として、関西各地で子どもたちの「伝える力」を育む活動をされている本下さん。「読書感想文が、よく書ける原稿用紙。」や「小論文がよく書ける原稿用紙。」などを開発され起業。
それらの商品を教材として使ったユニークな作文講座が大人気です。
嫌いだった作文が受講をきっかけに、すっかり作文好きになり、何回も参加するお子さんもいるんだとか。
令和元年11月には、女性チャレンジ応援拠点のイベント「プレゼン文章術」の講師も担当されました。
他にも「漢字」を使ったメソッドを大学とコラボし計画するなど、その活動の幅をどんどん広げられています。
また、経済産業省の女性起業家応援プロジェクト「LED関西」では平成30年度のファイナリストになり、現在はアンバサダーとしても活躍されています。
元々はグラフィックデザイナーとして、企業のカタログやチラシを作る広報の仕事をされていた本下さん。
結婚を機に退職し、フリーランスになりました。
事業のアイデアは、子どもが生まれて教育について考えるようになり、子どもの読書感想文に悩んでいるママ友の話を聞いたことがきっかけで生まれたそうです。
自身も子どもの頃は、作文が嫌いで泣きながら読書感想文を書いた思い出があるという本下さん。
何十年経っても同じような悩みを持つ子どもや親たちの現状を変えるためにもとの思いから、欧米の作文教育の勉強を始め、それを基にデザインの経験を活かした商品を独自に開発されました。
プレスリリース2,000枚!
「この世にない面白いものが出来た」と自信を持っていた商品ですが、学校で教材として取り扱ってもらうには予算や許可の問題があるということを初めて知り、壁にぶち当たります。
「当時は何も知らないから、いきなり小学校に行って、断られたりもしました。でもその経験がとても勉強になったし、人脈も出来るきっかけになった」と言います。
学校が難しければ、ビジネスとして子どもたちに届ける方が向いていると気づいて、なんとかマスコミに取り上げてもらおうと、ひたすらプレスリリース(マスコミ向けの広報原稿)を書いて、さまざまなメディアに送り続けたそうです。その数、なんと2,000枚以上!
ようやく新聞やテレビなどに徐々に取り上げられるようなると反響を呼んで、教材の売り上げも伸び、作文講座の依頼も増えていきました。
講座で着用している「縦書き原稿用紙」柄の着物は、LED関西で同期の女性起業家とのコラボレーションで完成させたもの。
子どもたちも一目見て興味津々です。
初対面の人に印象付けるために、見た目にアイデアを凝らす事も、活動を拡げる中で学んだことだそうです。
あなたのコトバはダイヤモンド
「女性チャレンジ応援拠点」についての印象を伺うと「私は何も分からないまま一人で始めたけれど、始める前の時期に拠点でスタッフに自分の話を聞いてもらえて、資料も揃っていて、という場所があるのはとてもうらやましい気がします」とのこと。
これからチャレンジしたい女性へのメッセージをお願いしたところ、「作文教室で講座の最後にいつも子どもたちに伝える『君の言葉はダイヤモンド』という言葉。これからますます情報化や国際化が進む社会で『言葉』がもっと重要で価値あるものになってくる。
自分自身の言葉の原石をどんどん磨くことで、自分自身も輝き出す。女性でこれから何かにチャレンジしたいという方も、自分の『言葉』を大切にされることが、事業や活動の成功にもつながるのではないかと思います」とのことでした。
取材の後は、あっという間に原稿用紙柄の着物に着替えて、講座に向かわれた本下さん。その姿はとても頼もしく印象的でした!