林 静香さん
(一般社団法人codomotoままちっち 代表)
子育て情報紙から広がる「ままちっち」
「codomotoままちっち」代表の林静香さんが活動を始めたのは、子育て真っ最中のときでした。地域のママたち約15名とともに、阿倍野区の子育て情報をまとめた情報紙「ままちっち」の発行したことが、活動のスタート地点です。
現在は、計3カ所の子育てひろばの運営や親子イベントの主催など、「ままちっち」は幅広く活動しており、今年で活動21年目を迎えました。
前回(2018年)林さんを取材したのは「ままちっち」を法人化したばかりのころでした。(詳しくはⅤol.11をご覧ください。)今回は法人化以降も活動を継続し、さらに広げていくために心がけていることについて、林さんにふたたびお話を伺いました。
法人化以降のあゆみ
「ままちっち」で活動するママたちが‟仕事”としてきちんとお金を得られる仕組みを作りたいーーそんな想いから2017年に「ままちっち」を法人化して以来、林さんは着実に活動の幅を広げてきました。
法人化当初は基盤となる収入が無く、このまま続けるのは難しいかもしれない、と悩んだ時期もあったといいます。しかしそんな時、ボランティア時代からともに活動してきたメンバーに、「あかんかったら、またボランティア団体に戻ったらいいやん」と声をかけてもらい、気持ちが軽くなったそうです。
その後、「大阪市地域子育て支援拠点事業」を受託し、3歳未満の子どもを持つ親子や妊婦さんが、ふらっと気軽によれる場所「ふらっとひろば ままちっち」を開設。さらに、商業施設「あべのキューズモール」と協働で、赤ちゃんや小さいお子さんとパパママが気軽に遊べるスペース「こそだてらす」を開設するなど、法人化によって、任意団体のままでは難しかった規模の活動を実現できたと語ります。
20年以上活動を続けてこられた秘訣を伺うと、「トップダウンではなく、メンバーがやってみたいと思うことを、みんなで実現すること。それから、できるときに、できることを、できる範囲で働くことかな」と話してくださいました。子育て中は予定通りにいかないことも多いものの、みんなが同じ状況にあるからこそ、互いに補い合って続けることができたのかもしれない、とのこと。現在の構成員は、ボランティアも含めて約40名。メンバーの和やかな活動の様子が、他団体との連携につながっているのではないかと語りました。

地域への想いをかたちにした絵本『とことこおおさか』
2025年2月、「ままちっち」はクラウドファンディングにより、オリジナル絵本『とことこおおさか』を出版しました。活動20周年の節目、そして大阪・関西万博開催の年に「自分の暮らすまちを、もっと好きになってほしい」という想いから制作を始めました。
紹介する場所に偏りが出ないよう、大阪府下で子育てひろばを運営し子育てを応援をしている団体や、パパ・ママから「子どもたちに伝えたい大阪の場所」を募集しました。その結果、60カ所以上もの候補が集まったそうです。絵本に掲載する場所やモノは、すべて許可を得たうえで掲載しました。
制作始動から約2年がたち、オンラインショップや店舗での一般販売も始まりました。『とことこおおさか』は自費出版のため、書店やおみやげ屋さんなどを一軒一軒訪ね、取り扱っていただけるよう相談して回ったといいます。徐々に取扱店や絵本が読める場所が増え、一部のホテルや大阪市内の図書館にも広がりました。さらに、大阪・関西万博内にあるおみやげ売り場や、台湾の書店での取り扱いも実現したそうです。
活動をはじめる人へのエール
林さんに今後の目標について尋ねると、「大きなビジョンを決めすぎず、できる範囲で「ままちっち」の活動を広げていきたい」と話してくれました。想いを実現するためには、時間がかかることもあります。それでも、目を離さずに見続けること、そして誰かに自分の想いを話してみることが大切だと言います。
今は、大きなリスクを背負わず活動を始めやすい時代です。「無理だったらやめてもいい」。その気楽さが、長く続ける力になるのかもしれません。
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