女性は83.0% 男性は7.48%
この数字は、何の割合かご存知でしょうか?
実は、男女別の育児休業取得者の割合※1です。
日本では、男性の育児休業取得者の割合の目標として、「2020年に13%(25年に30%)」を掲げていましたが、実際には目標を大きく下回っています。
取得率自体は、年々上昇してきていますが、まだまだ、男女が平等に取得しているとは言えない状況です。
※1 令和元年度雇用均等基本調査
日本の育児休業制度はどうなっているの?
平成29年10月1日から育児休業を延長できる期間として、現行の半年(1歳6ヶ月)から、最長で1年(2歳)まで延長できるように改正されました。これにより、比較的 保育園に入りやすい4月まで育休を取得できるようになりました。
男性の育児休業としては、母親が出産後8週間以内の期間に、父親が育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくても再度育児休業を取得できる「パパ休暇」が、また、両親がともに育児休業を取得する場合、休業可能期間が1歳までから、1歳2か月まで延長される「パパ・ママ育休プラス」があります。
海外と比較して、日本の制度は?
男性向けの育児休業制度について、2019年に発表された国連児童基金(ユニセフ)の調査では、日本含む41カ国のうち、給付金などの支給制度を持つ産前・産後休業、育児休業期間の長さとしては、日本の制度が1位の評価を得ています。男性向けの育児休業制度としては、世界中で日本は最高レベル!という訳です。
ただし、「実際に取得する父親は非常に少ない」と、日本の特異性もあわせて指摘されているところです。
男性の育休、どうして進まない?
これだけ制度も整ってきているのに、何故男性の育休取得は進まないのでしょうか。
4年前の調査※2では、育児休業を取得しなかった理由として「制度未整備、人手不足、会社の雰囲気」が上位にあがっています。
- 「業務が繁忙で職場の人手が不足していた」
- 「育児休業制度が整備されていなかった」
- 「育児休業を取得しづらい雰囲気だった」
これらのことから、会社として制度が整えられていても、そのことを男性社員が知らなかったり、人で不足などの理由から実態として取りづらい雰囲気があったりすることが考えられます。
※2 平成29年度 仕事と育児の両立に対する実態把握のための調査(厚生労働省)
新たな育休促進策!
国では、これらの状況を打開し、「男性の育休」の取得を促進するために、新たな制度が検討されているようです。その内容としては、主に次のとおりです。
- 子どもが生まれて8週以内に、合わせて4週間の休みを2回に分けて取得できるほか、その後も継続して計4回取得できるようにする。
- 育休申請の時期をこれまでの1カ月前から、原則2週間前までに短縮。
- 企業には、育休を取得しやすい環境整備や従業員への制度の周知を義務化。
- 大企業には、従業員の育休取得率の公表を義務化。
これまで以上に、各家庭の実態に合わせた取得ができるようになることで、男性の育児休業取得が進んでいくことを期待したいですね。
誰もがいきいきと輝ける社会であるために
大阪市では、女性にとって働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組む企業等を「女性活躍リーディングカンパニー認証」企業として認証していますが、その中でも特に、「男性の育児や家事、地域活動への参画支援に取り組んでいる企業」として「イクメン推進企業」を認証しています。
「女性活躍リーディングカンパニーのイクメン推進企業」の一覧はコチラからご覧いただけます。
また、2018年9月から「イクメン休業」の運用を開始し、対象の男性社員の100%が1か月以上の育休を取得している「積水ハウス株式会社」の取組も取材していますので、是非ご覧ください。
女性も男性も働きたい全ての人が、子育て等の家庭生活と両立していきいきと働き続けることができる社会の実現に向けて、一人ひとりができること・・・考えてみませんか?
キャリアコンサルタント 榊原杏奈