平成30年度「大阪女性活躍リーディングカンパニー市長表彰」最優秀賞受賞企業である住友電気工業株式会社では、どのような制度を設けることによって女性活躍を推進しているのかご紹介します。
▼紹介記事
平成30年度「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」市長表彰 表彰式を開催しました
認証企業の中から、先進性に富む、あるいは地道な努力を続けておられる企業等を表彰しています。平成30年度は最優秀賞2社、優秀賞3社、特別賞1社の計6社が表彰されました。
住友電気工業株式会社での取組例
「女性総合職育成マネジメント研修」の内容と効果
女性総合職を部下に持つ上司を対象に、「女性総合職育成マネジメント研修」を平成28年より実施しています。具体的には、女性部下育成の必要性と重要度を理解するとともに、映像を使ったグループディスカッションなどを通して、女性部下への捉われがちな固定観念を認識した上で、個々人にあった成長支援を考え、「キャリア対話」を推進する研修です。受講者は、平成28年~30年累計で280名となりました。
研修後にアンケートを実施しておりますが、平成30年度の受講者へのアンケートでは、「受講後に女性部下育成への意識に変化はありましたか」の問いに対して、96%が「変化があった」と回答しており、一定の効果があったものと考えています。
「在宅勤務制度」の対象を拡大化
平成28年より、育児や介護などの事由のある社員を対象にした「在宅勤務制度」を導入しましたが、平成30年10月より、柔軟な働き方の実現や生産性向上を目的に、自律性を持って業務を遂行し、成果を創出できるなどの要件を満たす社員へ「在宅勤務制度」の対象を拡大しました。
対象者は、下記の要件を全て満たし、上長が認めた社員です。
- 勤続3年以上の者
- 自律性を持って業務を遂行でき、成果を創出できる者
- 職場と同等の成果が期待される業務を有し、必要な知識・スキルを保有している者
- 会社からノートPCが支給、または部門共有のノートPCが使用可能であること
- 在宅勤務時の就業場所において、インターネット環境が整備され、業務に専念できる者
今後も「働き方改革」の一環として、在宅勤務制度を有効活用し、生産性向上、自律的・柔軟な働き方の実現などをめざします。
多様化する時代の理想の上司(イクボス)の育成
多様な人材を育成し、組織として最大のパフォーマンスを出すためには、今まで以上に複雑なマネジメント力が必要であると考えており、組織の要であるマネージャー層の意識を更に一歩前に進めるため、特定非営利活動法人ファザーリング・ジャパン(以下、「FJ」という。)が主催する「イクボス企業同盟」に平成28年8月に加盟しました。
『イクボス』とは、FJが提唱している上司像のことで、「職場で共に働く部下・スタッフのワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)」のことをいいます。
女性活躍推進やイクメンなど社員が多様化する時代において、『イクボス』の必要性を認識し、積極的に自社の管理職の意識改革を行って、多様化する時代の理想の上司(イクボス)を育てています。具体的には、『イクボス』養成のためのイベント・勉強会等の開催などを通して、『イクボス』の理念浸透と具体的行動を支援しています。
その他男性社員への取組としては、出産した妻のいる男性社員とその上長へ、育児休業や配偶者出産休暇の情報をメールで配信し休暇取得を促し、男性の育休取得事例を社内報などに掲載し、全社員に広く紹介しています。
女性活躍を後押しする取組を進める上での工夫や苦労
「在宅勤務制度」は、時間制約のある社員だけでなく、自律性を持って業務を遂行し、 成果を創出できるなどの要件を満たす社員へ対象を拡大しました。さらに、「女性総合職育成マネジメント研修」の中の「キャリア対話」は、女性に限らず全総合職・一般職へ対象を拡大していています。
このように、施策開始当初は「女性活躍推進」を切り口に導入した施策であっても、女性だけでなく、すべての社員のやる気を高め、最高のパフォーマンスを発揮できる環境づくりをめざして、対象の範囲を拡大すべき施策については適用を拡大しています。
また、当社では女性の部長やグループ長などの役職者が少なく、意思決定に携わる女性の育成を促進し、ダイバーシティ推進の基盤を構築するため、平成28年度より、マネージャー(部門長・部長・グループ長等)としての資質を有する女性に限定した育成計画の立案を専任組織から各部門へ依頼しています。
マネージャー登用までに必要な経験の棚卸、育成計画の見直しを毎年度行い、部門ごとの進捗を管理・フォローするとともに、専任組織が主体となって、女性マネージャー候補者を社外の管理職育成研修などに派遣するなど、育成支援も行っています。その取組開始から、女性役職者が増加したことから、育成計画の「見える化」の重要性を感じています。
今後の取組課題や目標
女性特有のライフイベントは考慮にいれながら、活躍支援に関する施策を今後も強化し、女性本人・上司・職場における女性活躍推進の風土醸成を継続的に取り組んでいきます。
また、女性活躍推進をダイバーシティ推進の原動力の一つとして取り組むとともに、「働き方改革」にも取り組み、女性の力を存分に発揮し活躍することで、業務効率化・生産性向上の実現をめざします。
そして、女性だけでなく、全ての社員一人ひとりが多様な人材であると考え、すべての社員のやる気を高め、最高のパフォーマンスを発揮できる環境づくりをめざし、企業成長に繋げていきたいと思っています。
企業の皆様へ
大阪市には、結婚・出産など置かれる環境が変わっても働き続けたいと考える女性が多く暮らしています。そういった女性が活躍できる環境を整えることで、これまで培ってきた知識や技術を経営や企業の活動に活かすことが可能となります。
これからの少子高齢化社会における経済の活性化には、女性の活躍促進が不可欠です。
大阪市では女性の活躍促進に向け社会全体で取り組んでいくことをめざし、「意欲のある女性が活躍し続けられる組織づくり」「仕事と生活の両立(ワーク・ライフ・バランス)支援」「男性の育児や家事、地域活動への参画支援」について積極的に推進する企業等を、一定の基準に則り認証し、当該企業等が社会的に認知されることでその取組みが広く普及することを目的として、「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」認証事業を実施しています。多くの企業等の申請をお待ちしております。
申請方法は、▼こちらをご確認ください。
大阪市ホームページ「『大阪市女性活躍リーディングカンパニー』認証への申請」