集まることで女性は強くなれる。共に学び合うコミュニティ「Woman Adventurer(ウーマン・アドベンチャラー)」が目指すこと

コミュニティデザイナー・「Woman Adventurer」主宰として活動をされる加藤 麻理子(かとう まりこ)さんをご紹介します。

「個人の問題は社会の問題」

みなさんは、こんな言葉を聞いたことがあるでしょうか?これはフェミニズムの分野では有名な言葉だそうです。

働く女性が子育てをしながら感じる、時間管理の難しさや夫婦間での家事分担に対するモヤモヤとした気持ち。「どうして私ばかり大変な思いをしなくちゃいけないの?」こんな不満を持ってしまうことはありませんか?

私は20代からまちづくりの仕事に携わり、情熱をもって働いていました。出産後すぐ仕事に復帰しましたが、仕事と子育ての両立の難しさに困り果てました。長女を出産して1年が経とうという頃、不満はどんどん膨れ上がり爆発寸前に。

そんな時、ジェンダー、特に女性のキャリアをテーマに仕事や研究をしているWOMAN LEADERS代表の岩田千栄美さんに相談をしました。岩田さんは私たち夫婦が地域で営むカフェの常連さんだったのです。岩田さんは私にこのようにおっしゃいました。

「麻理子さんが感じているその不満がまさにジェンダーの問題なんだよ。一人でもがいていても、社会を変えられないけれど、まず声に出すことで社会の問題になり、そこからより多くの女性の悩みの解決につながるかもしれないよ。」

それがまさに「個人の問題は社会の問題」という意味だったのでした。

20名を超える女性が国際女性デーに集まる

岩田さんからの話を聞いて私は目が覚めるようでした。このネガティブな気持ちを外に出していいんだ。同じように困ったり悩んだりしている女性の助けになるかもしれない。そう認識したとたん、モヤモヤした気持ちはむしろガソリンとなり、私をどんどん前に進めてくれました。

令和2年、働く女性のために何かしたいと思って踏み出した第一歩が、国際女性デーのお話会でした。「本当の意味での女性の活躍とは何か」「過去の女性がどうやって社会で権利を得てきたのか」といったことを参加者と学びました。

後半の座談会では、参加者に想いを発言してもらう時間を設けました。すると、そのほとんどが初対面にもかかわらず、気がつけば自分の話しや、人の話しにみんなが涙していました。みんな葛藤を抱えながら子育てをし、仕事をして、家庭を守ってきたのだと、この時ほど身にしみて感じたことはありませんでした。

お話会は2時間ほどでしたが、私の人生を変えるくらいの熱量と感動をもたらしてくれました。

※私が大阪阿倍野区で営むお店「THE MARKET」で開催した第1回目のお話会の様子

女性が学び合えるコミュニティを立ち上げる

この国際女性デーの経験により、まちづくりで培ってきたコミュニティデザインというフィールドを活かして、女性の人生を応援したいと思うようになりました。

そして、令和5年の秋、「Woman Adventurer(ウーマン・アドベンチャラー)」を立ち上げました。「女性が自分らしく笑顔で働ける世界」をビジョンに掲げて活動をしています。

大阪市阿倍野区で私が運営している「BLENDS books & share」というシェアスペースを拠点に、現在は約30名にまでメンバーが増えました。個人事業主、起業を志す女性が参加する、リアルな地域コミュニティとオンラインの両方を使った、共に学び合うコミュニティです。

ゲストを招いた勉強会、メンバー同士の活動に対するアドバイスや情報交換を行っており、今後はグローバルな展開も視野に入れています。前回の勉強会は、アフリカのタンザニアで若年層の生理の貧困に取り組む社会起業家の女性を招いて開催しました。国を超えて、女性同士が助け合えるプロジェクトが生まれそうです。

最後に

Adventurer(アドベンチャラー)とは、冒険家という意味です。女性として迎えるライフステージの変化は、これまでの価値観をぶち壊してしまうほど大きなものかもしれません。

しかし、その変化を活かすことができれば、私たちは更に成長し、他者に貢献できる力を発揮できます。だから、この変化も冒険のように進んでいきたい。そして、そのためには、励まし合える仲間と乗り越えるための学びが必要だと私自身の経験から感じています。

みなさんの周りには、お互いを応援しあえるコミュニティはあるでしょうか?

この記事を読まれている方はきっと成長したい気持ちや、社会への想いの強い女性だと思います。今私が確信を持って言えることは、女性は一人でがんばる必要はないということです。むしろ集団となった方が女性は強いです。みなさんもご近所やオンライン上で、そのような場所を見つけてみてください。興味を持っていただけたならば、Woman Adventurerにも、いつでも遊びにきてくださいね。

<参考>
◾️ Woman Adventurer(ウーマン・アドベンチャラー)
https://www.womanadventurer.com/

加藤 麻理子
石川県金沢市に生まれ、現在は大阪市在住。関西学院大学総合政策学部都市政策学科を卒業。
20代は不動産ディベロッパー、都市計画のコンサルティング事務所で働き、関西各地で地域活性のプロジェクトの立ち上げを経験。
現在は大阪阿倍野を拠点に実店舗、イベント、SNSを始めローカルメディアを活用しながら人と人をつなぎ、まちに変化を起こすコミュニティづくりをおこなっている。また、まちづくりのプロジェクトで培ってきた「ブランディング手法」とクリエイティブ・ディレクターの能力を活かし、中小企業や個人事業主のブランディング、デザインサポートを行っている。
自身が経営するシェアスペース、「BLENDS books & share」を拠点に令和2年より女性を応援するコミュニティ「Woman Adventurer」を主宰。2児の母でもある。

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